国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

慈眼院 多宝塔

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関西国際空港に近い日根野駅から歩いても行ける日根神社。犬鳴山へ向かうバスに乗るとすぐに着く神社だ。神社自体は何の変哲もないどこにでもありそうな村を守る神社で、正月なので地域の人が初詣出客にお接待している。入口には一軒だけ露店が出ていたが、昔はたいそうにぎわっていたかもしれない。

神社がにぎわいを当て込む理由がひとつある。神仏分離で各地の寺社と仏閣は切り離されたが、神社の境内をまたがないと行くことのできない慈眼院という仏閣が神社内にある。この慈眼院は金堂(重要文化財)と塔があるだけでかなり手狭である。手狭な分、境内を苔で覆うことで雰囲気は醸し出している。多宝塔は国宝に指定されていて、公家の九条家直営荘園が日根にあったことから歴史的な塔となっている。日本三名塔(ほかは石山寺高野山の金剛三味院)のひとつとなっているが、他二つは有名寺院内にあり、大きさもそこそこなのに対して、地味な慈眼院の多宝塔は10メートルと総本山系のお堂よりもかなり小さい。鎌倉時代建立された歴史的価値が国宝へと押しやったのだろう。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。