東博での正倉院展は実物大の正倉院の模型が展示してあった。展示というより設置の方がふさわしい大きさだった。東大寺の北のはずれにある正倉院は平日の昼間に一般公開されているので、気軽に見に行くことが出来る。ただし、あくまでも観るだけで近づくことができない。なので、今回の実物大展示で改めて大きなものであることを再認識した。2020年4月には奈良国立博物館でよみがえる正倉院宝物ー再現模造にみる天平の技ーが開催されると発表があり、正倉院の複製に再開に期待が持てる。
さて、正倉院展では法隆寺の献納品が展示されいた。こちらも2020年3月から東京博物館で法隆寺金堂壁画と百済観音が開催されるので、そこへの出品が期待できる。
いつもは東博のすみっこにある法隆寺館に展示している品が正倉院の品々とともに展示していた。どれも1300年の歴史があり、日本の文化財に対する永続的な保護思想があってこそ。国宝の竜首水瓶も普段は法隆寺館の数多ある品々の1点で、下手をすれば見逃しがちだが、単独で陳列されるとフォルムの美しさが際立つ。特別展にわざわざ展示することもないと思っていたが、たまには常設と違った展示で魅せるのもよい。