国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

黒韋威胴丸 兜大袖付 厳島神社

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厳島神社では毎年秋に行われる宝物名品展で本物の国宝を展示する。別棟で常設の宝物館があるが、こちらには国宝の複製が展示されているのみで、本物はこの秋の名品展のみ。春にも開催して欲しいのだが…。

令和への改元の祝い年であるため、国宝の厳島神社の舞台では舞が奉納されていた。滅多に観られない舞を堪能できた。ただ、有名な大鳥居は大修理の最中で、防音防粉のため覆われていたので、少し残念だった。

さて、2019年は平家納経4巻と清盛などが書いた紺紙金字法華経8巻、そして黒韋威胴丸兜大袖付が展示された。厳島神社の入り口と出口の中間ぐらいにある名品展会場はすべて柵で覆われている収蔵庫の特別室で開催している。目立たない位置にあるだけでなく、ほとんどPRらしいことはしておらず、写真の案内板が入口にあるだけ。観光名所で秋の紅葉シーズンなので多くの人が往来があるがひと目看板を見て素通りしている人がほとんど。目当ての人以外は近寄らせないオーラがでてきるようだ。

さて、展示スペースが狭いので、展示点数が10件程度で少ない。なので国宝と重文クラスを少し展示するだけなので、コスパは非常に悪い。しかし、厳島神社の宝物が必ず観ることが出来る貴重な機会なのでマニアはこぞって訪問している。今年は黒韋威胴丸が登場したことで、国宝ファンは立ち寄ったことだろう。福岡市博物館での侍展で観た小桜韋黄返威鎧のようなデザイン性は乏しいが、黒でシックな造りは武士の豪気が感じられる仕上がりで、着用すると力がみなぎりそうだ。ちょうど岩国でも国宝刀2点が公開中なので、武士の魂を観る良い機会なので合せての訪問をおすすめ。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。