東京都文化財ウィークは11月3日の文化の日を中心に各所で特別公開を行っている。普段は見ること、入ることができない文化財や施設を期間を決めて一度に公開している。関西でも関西文化の日を制定して大々的に行っているが、東京は都独自で行っている。
その一つで国宝では唯一、正福寺の地蔵堂公開がエントリーしている。ただ、文化財ウィークが始まる以前から11月3日のみ地蔵堂を公開していたので、時期がたまたま重なったので登録しただけかもしれない。
正福寺は東村山市にあり、戦火で多くの建物が焼けてしまった東京都内で唯一の国宝建築物である。昭和世代で東村山市と言えば志村けん。幼きけん少年も地蔵祭りに参加していたと思うと時空を超えて同じ場所に立てて感慨深い。
地蔵堂は室町時代に作られた禅宗様仏殿の代表作で、鎌倉の円覚寺舎利殿と規模・形式が似ている。ただ、大伽藍内にある舎利殿と違い、時代ごとに修理により変化があったものを1933年の改修工事で現在の形に戻したため新しく感じる。内部は地蔵菩薩像のほか、多数の地蔵菩薩の小像が安置されていて、 庶民の寺として地域に愛されてきたことが分かる。
地蔵堂の公開日の門前には屋台が気持ち程度出ていた。昭和の頃は田舎だっただろう東村山も都心に近くベットタウン化した令和の時代では屋台の盛り上がりもほどほど。東村山音頭で知っている団塊ジュニア世代に向けたPRができればもっと盛り上がりそうだった。