631年に中国の唐の太宗皇帝が命じて編纂した政治のための参考書。経書や晋代までの正史、その他の古来の群書から、政治上の要項を抜き出して配列している。ただ中国本土には残っておらず、平安時代に写した最古のものが日本で国宝となっている。
九条家に伝わった群書治要は貴族趣味バリバリの仕上がり。特徴は紙。色とりどりの紙を継いだもので、単調な漢字ばかりの巻物が一変する作りになっている。その紙に金泥で枠線を引いて豪華さを出し、達筆な文字が並ぶ。現代なら革張りのハードカバーで総天然色で作られた書物といったところ。豪華に作ることで大切に保管され続けたのだろう。