動産の国宝は各地で開催される展示会に出品されることがある。しかし、東洋文庫ミュージアムは貸出しているのを観たことがない。その代わりに、各企画展に1つ展示してくれるので、毎回チェックが必要。今回は北斎をテーマにした展示なのだが、国宝の文選集注が展示してあった。
文選とは詩や文章を集めたもので、中国古代の名文たちを網羅した書籍。その書籍を開設したものが集注となる。中国の教養人のための虎の巻で、科挙などの試験用のテキストといったところだ。本国の中国には残っていないそうで、東洋文庫と称名寺に残っているもののみ。大陸に学ぶ日本ならではの国宝である。