染物エリアは、一式指定の熊野速玉大社のものが出品。
熊野信仰の総本山、熊野速玉大社へ寄進された名品の数々。最近、いろいろな博物館で陳列しているので観る機会が多い。今回の京博でも寄託している名品が出品。
文化財になった場合、保管をきっちりできる場所(建物)の確保が必要になる。寄託することで、その場所の確保が不要になり、文化財保護の整った施設で保管される。しかし、手元から遠くへ保管場所が変わるので、常時公開ができない。和歌山県の新宮まで見に行くのはかなり遠いので、都会の博物館での公開はありがたい。昔の人が熊野詣の願掛けで奉納したものが、京都に戻って保管というのは、奉納者にとって願掛し甲斐がない。ただ、もう千年近く経っていることを考える願いが成就していなければ叶わない願いだったということなのだろう。