知恩院の御影堂の大修理が今年ようやく終わり、1年かけて仏具荘厳の搬入や堂内設備工事などがあり、来年4月に晴れて落慶法要が行われる。この御影堂は国宝で、国宝建築は改修ラッシュで、東西の本願寺や二条城、滋賀の延暦寺、奈良の薬師寺東塔などあちこちで大修理が行われている。国宝を維持管理し、次世代に繋ぐ大切な事業だが、その間は観ることができない。国宝好きにとっては再会するまで待ち遠しい日々を過ごす。
その知恩院の寺宝も京博に寄託している。菩薩処胎経は釈迦の涅槃(他界)前後を題材にしたもの。ほかの経に比べて効果が高いと言われ、CM風に言うならば当社比10倍(個人による感想)以上の効果があるそうだ。この菩薩処胎経の2から4巻は西魏時代550年のもので、世界最古の伝世写経である。色々な宗教の経典がそうだが、教祖が自身で伝えたものより、文才のある弟子たちが残したもののほうが流行る。象徴としての教祖とそれを支える名も並みプロジューサーがあっての宗教なのだ。