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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【京都名品展】金銀鍍宝相華文経箱 延暦寺

これまた藤原道長関連の箱。長元4年(1031)に円仁がかつて書写した如法経を銅筒に納めなおし、横川の如法堂に埋納した。その際、藤原道長の娘、上東門院彰子もこれに結縁して自ら書写した法華経を埋納した経箱である。

箱は銅製鍛造で、隅丸長方形で弁当箱ぐらいの大きさ。全面に宝相華唐草文が蹴彫りされていて、全体は金鍍金。間地や床脚の格狭間には銀鍍金を施した色彩対比が見事な箱である。印籠蓋造りの蓋と身を簡単には開けられないように指金で留める仕様は、経巻が長く保護されることを願った。祈りが藤原家の栄華のひとつの要因だったのだろう。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。