国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

宮崎県西都原古墳群出土

五島美術館が所有する国宝で、少し毛色の違うのものが宮崎県西都原古墳群出土品である。他の所有物はきらびやかな絵巻物や価値のある書など近世以降のもので、古墳の出土品で国宝クラスを所有する私的美術館は珍しい。

展示していたのは馬具装飾で、金箔がかなり残っている保存状態のとてもよいものだった。古墳の出土品を見る場合は、たいていは入り口近くに古代エリアとしてまとめた1室が設けられる。時系列の展示で、中世や近世などへ移るに従い展示内容が盛り上がる演出となっている。ところが、五島美術館は展示室は2つしかなく、第2は大東急記念文庫70周年企画で使用されているため、第1に陳列を余儀なくされていた。そして、第1でも地味な古墳出土品は奥へ追いやられ、近代・現代の画などに主役を奪われていた。展示の扱いに困った感があった。そこで、宮崎県は国宝を所有していない県(ほかは徳島県)で、宮崎に寄託してあげたらと思う。おそらく宮崎県の博物館ではトップクラスの扱いで陳列してくれることだろう。都内で観るより、現地で観るのがふさわしい。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。