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【美を紡ぐ】檜図屏風 (+唐獅子図) 狩野永徳

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トーハクでは「美を紡ぐ 日本美術の名品」と題して、国宝・重要文化財宮内庁の名品(御物)の豪華なコラボレーション展が行われていたので見に行った。

名品展は天皇陛下の在位の節目である10年ごとに東博で開催していた。今回も30年の節目に当たったので開催したのだろう。ただ展示会の開催時期と退位する時期が重なったため少しアレンジしたものとなった。なので、規模は4部屋での開催で全40点の出展数は少ないが、御物とトーハク所有のコラボ満載の展示内容となっている。

ほとんどの作品はクライアントの意向を十二分に理解して作られた至高のものでまさに絢爛豪華を絵に描いたものだった。その中で国宝・納涼図屏風(久隅守景作)と西瓜図(葛飾北斎作)が隣同士で展示しており、牧歌的な作品が最後の展示だったので、心を落ち着かせて見終えるための演出だったのかもしれない。

一番見たかったものは狩野永徳作の唐獅子図。小学生の頃、歴史の教科書で観て以来、いつか本物を見てみたいと思っていたもので、国宝が多く展示されるのならばと足を運んだ次第だ。その唐獅子図は入ってすぐに展示。まず、大きさに圧倒された。すぐ向かいには同じく永徳作の国宝・檜図屏風があった。国宝展で観て以来の再開だが、京博で観たときは檜の太さに圧倒され、かなりサイズのある作品だったと記憶していた。しかし、その幹の太さが自然に見えるぐらい唐獅子図は圧倒的な大きさであった。大広間にあった障壁画を屏風に仕立て直したようで、もっとも威厳の必要な場所に置かれていたことは想像に難くない。

唐獅子図は右隻が永徳作で、左隻は江戸時代に入ってから狩野常信が描いたものである。教科書などでみるもの右隻のみで、両方を一度に見ると圧倒的に永徳作がかっこよい。獅子は筋骨隆々としているが、たてがみのカール部分と体毛を円でなんとなく表現していることで柔らかさを醸し出しており、強さとやさしさが混在となった表現となっている。風景は狩野はらしい直線で豪快な岩を作りあげていて、この部分は檜図とも似ている。狩野派工房としての製作と、永徳の感性が爆発した唐獅子のデザインの奇跡の融合が楽しめる。御用絵師として狩野派が頂点を極めた時期の作品で、なんども見たい名品であった。

 

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。