国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【根津美術館】燕子花図 尾形光琳筆


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テレビ東京系で放送している番組「美の巨人」の演出が今年度から変わてしまった。1人の著名人が芸術に向き合うコンセプトになっており、当たり外れが出てきそうな演出になった。

根津美術館でこの時期に公開されることが多い、燕子花図も取り上げられてた。文様としての繰り返しとふすまにして飾った時の奥行き感の話が出ていたので、見てみたくなった。

明治神宮から表参道を歩いて行ったが、天気の良い日だったのでかなりの人出。歩いて20分ぐらいの突き当りに根津美術館がある。こちらも人が多く、チケット購入に5分の列ができている。テレビの効果は大きい。そして、入場した第一展示室が屏風のコーナーになっていた。燕子花が一番人気かと思いきや、他の豪華な金箔屏風(洛中洛外図やお伊勢さん関連)の方が列を作っていた。やはり、国宝の神々しさに少し遠慮があるのだろう。

さて、燕子花図だが、同じ図案がところどころ繰り返しているにも関わらず、新鮮なデザインに感じる。いろいろな種類の動植物を描いて素晴らしいものは多くあるが、カキツバタ1種類(しかも同じもの)でここまで表現できるのはすごい。いろいろと書き足したい気持ちを抑え、花の配置でリズム感を出す。まさに「優雅」である。

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根津美術館の庭園のカキツバタ

根津美術館のよさは庭園が非常に広くいろいろの仕掛けがある点。そして、この展示会に合せてカキツバタが綺麗に咲いている。本物と見比べることができる展示場はそうそうない。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。