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【MAO美術館】色絵藤花文茶壺 野々村仁清

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熱海にあるMAO美術館は3年前にリニューアルして以来、冬の時期に所有する国宝3点を一度に見せる展示会を開催している。

熱海駅からバスで数分。山道を登った海が望める見晴らしの良い場所に美術館はある。バス停入口からはエスカレーターを乗り継ぐ必要があるぐらい山肌に建てられている。その分、海への眺望は遮るものが無く、登ってきた(エスカレーターなので楽ちん)甲斐がある。

直接、美術館へ行くルートもあるが、途中で外に出られるエントランスがある。そこから見える美術館の外装は砂漠の中にある石造りの神殿のように美しく、巨大なガラス部分から多くの人が風景を堪能している様子がうかがえる。

さて、国宝の1点目は常設の野々村仁清作、色絵藤花文茶壺。国宝の陶器は数が少ないうえ、国産となると5点しかない。そのうち2点が仁清の作品で、もう一つはこちらも常設で石川県立美術館にある色絵雉香炉だ。

輸入物の国宝陶器は希少性に重きを置かれているようだし、国産の国宝茶器は表現力が評価されているように思える。仁清の作品の雉は何となく陶器なのに動きの表現がよいので国宝かなと思うが、壺は他のモノとの違いが分かりにくい。見ていて素晴らしいのは間違いないが、仁清ブランドが国宝へと押し上げたのかもしれない。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。