国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【醍醐寺展】絵因果経

昨年、東京のサントリー美術館で開催された「醍醐寺展」が九州博物館で巡回展として開催されている。

真言宗系の展示会は仁和寺展、大報恩寺展があり、今春には東寺展があるなど積極的に開催している。真言宗が歴史的に天皇家に近いことから貴重な文化財が多いため、成立する。

さて、醍醐寺もその流れに乗っての展示会だが、展示品の期間による差し替えが多く何度か見に行かないと全部見ることができない。そのひとつで釋迦の生涯を絵巻物で見せる「絵因果経」は前半と後半で観られる場面を変えて展示する。前後編や4分割など場面を変えることで何度も来場してもらう狙いがあるのは分かるが、スペースがだいぶあったので一度に見せても良いと思った。

国宝の絵因果経は東京芸術大と上品蓮台寺のものがある。ともに国宝展で出品されていたが、醍醐寺のものは出品が無く、同一の展示会ですべてみる機会はなかった。分かりやすい絵解きものは、書に単独に比べて見ていて理解が進む。

九博の醍醐寺展はかなりゆったりとしたスペースの使い方で、もう少し多めの出品があっても良かった。春は現地で桜を見ながら霊宝館を訪れるのが贅沢の極みだが、それができない人は会場内に桜のディスプレイがあったので、気分だけでも醍醐の桜を味わえる。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。