博多駅からバスで小一時間。田んぼがちらほらとある相良区にある西光寺には国内で5番目に古い梵鐘がある。山陰を転々として、明治期に金物商が購入、縁あって今に落ち着いている。
国宝の鐘の扱いは様々。東大寺のように現役のものものあれば、妙心寺では2代目にその役務を譲り本堂で余生を過ごしているもの、平等院や佐川美術館のように工芸品として保管・公開しているものもある。
ただ、地方の寺所有の鐘は扱いが微妙なものが多い。同じ福岡県にある観音寺の梵鐘は入れないように網で囲ってはいるもののふきっさらし。ほかの寺院では鐘のために新しい建物を作って保管しているところもある。
西光寺はというと新しく鐘のために建屋を作って保管している。しかし、その建屋の管理が微妙。まず、クモの糸がそこかしこにあり、清掃ができていない。そして、ガラス越しで見ることができるのだが、曇り過ぎていて近くにあるはずだがはっきりと見えない。これが国宝なのかというぐらいの扱いである。大切に保管されているのだとは思うが、訪問した人はかなりがっかりとした建物管理だ。