本山寺は四国八十八か所巡礼のひとつである。開放感のある境内の中心に本堂があり、それが国宝の指定を受けている。巡礼地では松山の石手寺二門や大山寺本堂が国宝である。
本山寺は駅から近く参拝するには好立地である。また、八十八か所のひとつに選ばれていることから、そこそこの巡礼者が訪問する。標識もきっちりしていて、扱いは神谷神社とは雲泥の差。観光資源として四国四県総出で応援している雰囲気がある。
国宝の本堂は鎌倉時代に再建されたものだそうで、戦国時代に四国を統一した長曾我部氏が侵攻したときには、本堂と仁王門は焼かれずに済んだ。言い伝えでは、侵攻した兵が内陣を開けたら、阿弥陀仏から血がしたたり落ちていて恐怖で撤退したとされている。マリア像から血の涙とか、人形の髪が伸びるなど超常現象はいろいろあるものだ。この他の建物では五重塔が解体修理中で、もうすぐ終わりそうだったので完成後にもう一度見て観たい。