国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

催馬楽譜

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国宝を見始めて一番の問題はいつ公開されるか。建物のように行けば何時で見ることができるものや、展示室などで常設展示されているものは空いた時間で行ける。また、宗教上の理由や文化財保護法の関係で展示日数が限られていたり、季節限定や期間限定などがあるが、それらはタイミングが合えば見ることが出来る。しかし、いつ公開されるか分からないものは大変だ。公開が数年前からないものもはまだましで、十年近く公開されていないものもある。そのひとつとなっていた催馬楽譜が10年ぶりに公開されたと聞き、佐賀へ行った。

催馬楽譜は平安時代の楽譜帳で、佐賀県唯一の国宝である。はやり歌を奏でるため、演奏者のために拍子と歌のリズムが書かれているものだ。佐賀藩藩主の鍋島家に代々伝わってきたもので、日本最古の写本だそうだ。

現代の楽譜は旋律などを記号と位置の2次元で表現しているが、催馬楽譜は直線的な文字と注釈で書かれている。雅楽の単調な感じはこの楽譜から表現されていると思うと、西洋的な重層な演奏が可能なのも楽譜に寄るところかもしれない。世界の楽譜の歴史がその国の音楽性を表すと思うと、国宝に相応しい。

なお、この展示の時期が維新150年祭りの真っ最中だったが、官制のイベントはそこそこの盛り上がりだった。一方で同時期に放送されていたテレビアニメのゾンビランドサガがかなり盛り上がっていたことが印象的だった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。