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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【国宝】史記 呂后本紀第九 毛利博物館

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2018年、国宝展が山口で開催!と聞くと、居ても経ってもいられずに行ってしまった。

開催は山口県防府市で、毛利家邸跡に置かれた博物館。何度か同様のテーマで開催していたようで、今年は維新150年の記念イヤーのための開催だ。本邸自身も見応えのある建物で、明治時代に井上薫により建設が進められた比較的新しいものだ。2階建てで和を中心に洋風応接間を備える独特の形式で、雄藩であった毛利家にふさわしい建物となっている。池泉式庭園もそれなりにすばらしい。ただ、公家や大名が贅沢の限りを尽くして造ったものに比べると狭くてビューポイントが少ない。

さて、国宝展だが建物とつながっている”はなれ”(第1展示室)とそれとつながっている新しい建物(第2展示室)で開催している。とはいうものの、第1の方には国宝はない。陶器や刀などの展示がされていたが、説明書きがなかったり空いた展示スペースがあるなど、残念な展示の仕方だった。

本命の国宝がある第2はさすがの内容。毛利博物館所蔵の国宝4点が全て展示されていた。雪舟の四季山水図は一度に16メートルすべてが見ることができるだけでなく、雲谷派が模写したものもいっしょに見ることが出来る。ただ、どちらが雪舟なのかが分かりにくい展示となっているのが残念だった。

史記はよく読み込まれたようでボロボロになっているものを補強して展示していた。1073年に書き写されたものだそうで、経典のように仏に捧げるためならば保管が前提なので残っていてもおかしくないが、読み受け継ぐことを前提としたものという目で見ると大切に扱われていたことが分かる。

武士の命である刀にも国宝がある。菊造腰刀がそれで、今ならば女性が護身用に持つ短刀といってもよい大きさ。反りのない、厚手の刀は奈良県の当麻の所伝、大和の業物とされている。見どころは装飾で鞘が金梨地の豪華な仕上がりで、実用品というより飾り物として重宝されたのだろう。そして、古今和歌集の高野切の4つが国宝で、重要文化財毛利元就像や通信符などの展示もあり、見どころ満載だった。

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。