国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

太山寺 本堂

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2018年夏、石手寺を訪れたその足で太山寺にも行った。しかし、西日本豪雨の影響で、本堂までの道が土砂崩れで通行止めになっていて社務所までで足止め。国宝を見ることは叶わなかった。

そして、数か月後に満を持して国宝の本堂を参拝した。

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前回は社務所までしか行けていないが、社務所の方からは「本堂は豪雨の影響はない」と話していたので、再訪問には抵抗が無かった。しかし、訪れてみてびっくりしたのが、家屋の正面で土砂崩れが起きていた事実である。数カ所で土砂崩れの痕があったが、一番激しい場所に建物があるとはなんというめぐり合わせなのだろう。建物の構造は保たれていたので、最悪の事態は免れたのが仏の加護だったのかもしれない。

さて、土砂崩れの悲惨な現場を横目にしつつ、急こう配を登ることおよそ10分。ようやく、境内らしきものが見えて来る。この場所に手水などあるが、本堂はその右上に見える山門まで登らなければ見えない。ここまで急こう配を登ってきたためか、かなりの疲労感があったがここまで来ればもう一息とばかりに階段を登る。

登りきると山門の正面に国宝の本堂が雄大な姿を現す。1305年、鎌倉後期に建てられたお堂は入母屋造り本瓦葺木造建築では愛媛県最大。ただ、山の中にあるため、京都や奈良のように平地にある寺院と比べると雄大さに欠けるような見える。比叡山でも感じるが、周りの木々の成長の年月が経っていることもあり、それらの方が高く、太い幹などがあることが、建築物の大きさが伝わらない原因なのだろう。

太山寺は四国八十八カ所のひとつでもあり、お遍路さんが参拝している。辺鄙な場所にあることもあり、巡礼以外の人は少なく、観光地化した石手寺に比べると殺風景にも思える。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。