国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

臼杵磨崖仏

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大分県の国東半島では密教の修行の場として多くの寺院が建っている。その中でも珍しいのが臼杵にある石仏群である。崖を磨いて作ったことから磨崖仏というそうだが、磨くというより削ったように見える。

臼杵磨崖仏が国宝に指定されたのは1995年で、磨崖仏では全国唯一である。彫刻では九州で初めての指定であった。60体余りある石仏は、4群からなる安置場に分かれており、それぞれを参拝すると巡礼体験となる。ちょっとしたハイキングコースで、ほどよい運動には持って来いである。

訪問した時は8月の第4土曜日で火祭りが行われており、夜間の無料開放日だった。駅から臨時バスが出ており、普段は数時間に1本の便を思うと、この日に行くと交通の便を気にしなくて済む。そのためか多くの人が見に来ていた。臼杵磨崖仏の入り口バス停には屋台が出ていたり、観光館内所やお土産屋が開いていたりと賑わっていた。

石仏は小高い丘にそれぞれ彫られており、それぞれを見るためにアップダウンを繰り返し歩く。歩く道は整備されていて、夜でも歩きやすくその昔は修行の場であったとは思えない。また、ここ数年で磨崖仏の劣化を防ぐため、覆屋根の改修工事が進んでおり、明るい照明と参拝のための広いスペースが出来上がっていた。観光地化された磨崖仏は信仰の対象というより芸術の鑑賞の場となっている。

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観光の目玉イベントは火祭りである。

石仏の前はもちろん、巡礼するための階段や向かいの広場などに火を焚いて置いている。そこに、盆踊りを踊る地域の方々の声が聞こえる。ポスターなどで見る石仏の前で護摩を焚いている雰囲気とはまるで違う、牧歌的な燈火祭りといったところだ。街灯がない分、少しくらいので警備員や地元の役場の人たちが一生懸命誘導を行っており、怪我のないように運営する大変さが伺えた。

臼杵磨崖仏だけ見に行くのもよいが、行くならば火祭りなどイベントがあるとに行くとより楽しめる。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。