美術館や博物館、寺院などでは大型連休中だけ客集めたため目玉となる名品を陳列したり特別公開することがある。五島美術館でも今春の優品展を開催している最中、この連休中のみ国宝の源氏物語絵巻を特別展示をしている。
詩と絵の部分を断裁して、板に張り付けて保存している現物と、科学的調査をもとに顔料などを調べ上げた結果に基づき、現代作家が再現した絵を横において見せていた。どうしても再現した鮮やかな方に目が行ってしまうが、そこは我慢して本物で再現に至る痕跡を探す見方に終始した。観れば観る程、技術力の高さが際立つ。そして5年ごとに、徳川美術館か五島美術館で開催される源氏物語展に何が何でも訪れたくなるくらい、いつまでも観ていたくなった。
優品展は書が中心で、紀貫之や三蹟たちなどが書きあげた優れた品々が展示されていた。九州博物館で開催された日本の書の後半と同じような流れで配置されており、国風文化を形成した流れの定型展示方法と言っても過言ではない。この定型を東急グループの五島コレクションで再現できるということが凄すぎる。