昨年に国宝指定を受けた宋版一切経は醍醐寺では新入りの国宝である。東大寺復興の立役者である重源が宋から持ち帰ったものを醍醐寺に納められたものが現代まで伝わっている。
展示は大切に保管していたことが分かるように保管していた箱が後ろの壁面に配置され、その手前に見えやすいように経典を並べて見せている。6102帖の経典がほぼ完全な形で残っていることが国宝指定への評価となっているぐらい、保存状態は良好で約800年前のものであるとは想像できない。それぐらい丁寧に資料を保管してきた寺の努力が分かる逸品である。