仁和寺展となっているが、御室派のものも含む題だけに各地から名品が集まっている。その中で、2月12日までの展示でぜひ見ておきたいのは誓願寺建立縁起だ。単なる建立に至るまでの歴史書と思えばそれほどまでではないが、これば栄西が書いた書というならば特別のものになる。
栄西は言わずと知れた室町時代の大僧侶で、建仁寺を建立したことで有名だ。喫茶文化を持ち込んだことも有名だが、東寺のお茶は薬ぐらい高級なもので一般庶民というよりも上流階級向けの新しい嗜好品を導入したといったところだろう。
天台宗ならば様々な宗派の大僧侶が卒業していったので、いろいろな縁があって当然だが、真言宗である仁和寺にあってこのような縁があるのは珍しい。