年末年始の奈良博の企画展示はこの三連休で終了する。その中で、今年の奈良博で開催される特別展の前哨戦的な出品があった。それは倶舎曼荼羅図だろう。夏ごろに曼荼羅図展とも言うべき、糸のみほとけへの期待を高める出品だった。
曼荼羅図は密教では儀式に用いる重要な仏具のひとつである。見ている方は仏が規則的にいっぱい書いてある程度しか理解できない。今回の展示物は東大寺の紙ベースで作った図であるが、特別展は糸をテーマとした刺繍絵の世界となる。図案化したものを糸で編むとなるとかなりの労力が必要で、仏関連で力を発揮する奈良博がどれだけのものを集められるか見ものである。