南大門が目立たない理由。それは鎌倉時代の仏像彫刻をけん引した慶派が制作した金剛力士像が鎮座しているからだ。2017年の春は快慶、秋は運慶の展示会が開催され、それぞれ話題となったが、展示会へ行かずとも無料でしかも屋外展示?している立像に会える。極上ボディで筋骨隆々に彫刻された力士像が見栄をきる迫力あるポーズをとっている姿を見た瞬間、普通の人なら南大門のことなど忘れてしまう。彫刻のすばらしさもあるが、大きさに圧倒される。大仏も大きいが、こちらの力士像もとても大きく、見上げて、見とれてしまう。そこに建物の良し悪しなど関係なくなり、正面を観ると金堂が目に入る演出となっている。仏師としての運慶・快慶の名を不動のものにした逸品は現地でしか見ることができないのが残念だ。