国宝のⅠ期を見てきた。例によって3階から降りてくる方式の京都国立博物館。普段から考古分野を展示している部屋には、国宝だらけの土器や土偶、古墳出土品が陳列されていた。
そのなかでひと際人気があったのが深鉢形土器(火焔型土器)だ。岡本太郎ならずとも「芸術は爆発だ」と言いたくなる派手さ。他の階にある工芸品は金などの装飾や超絶技法で目を奪われる。一方でこの土器は感性への衝動は国宝ナンバーワンといっても過言ではない。
火焔型土器が考古分野でかなりの人気があるので、同時期に開催している京都大学総合博物館で開催されている「火焔型土器と西の縄文」もさぞや混雑しているのだろうとその足で向かった。ところが、博物館はがらがら。こちらも国宝の土器が展示されているにも関わらずである。しかも写真撮り放題。
国宝群の中で土器を観るのもよいが、その背景を知るため企画展を観ることも重要だ。同時代に見つかった土器たちが並び、歴史的背景が分かる陳列の仕方で、知識に深みがでて、よりそのものを好きになれる。10月22日まで開催しているの、ぜひ寄って観てほしい。
超総合展である今回の「国宝」は史上最大の見本市なので、そこで気になったものの企画展に行くのがおすすめ。
なお、京大博物館のほかの展示も見どころがたくさんあり、とても良い。東京駅近くにあるJPタワー学術総合ミュージアムを思い起こす博物の宝庫となっている。