国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

一遍聖絵

企画展では絵巻物の一部しか展示されないことが多い。その点、特別展でしかも展示される絵巻物の冠展示はすべてを展示してくれる。ただ前期後期で巻替えが行われることが多いが、気の利いた展示場は展示されていない場面の複製を展示してくれており、絵巻物…

【春日大社】黒韋威矢筈札胴丸

式年遷宮が記憶に新しい春日大社。その時に造られたのが国宝殿で、春日大社の至宝を少しずつ展示している。 そんな春日大社は甲冑類の国宝保有数はナンバーワン。4つの甲冑と1つの籠手が指定を受けている。ちなみに甲冑4点が国宝指定を受けているのが厳島…

【明恵展】絹本著色仏眼仏母像

都心の高層ビル内に造られた美術館は仕事帰りなど気軽に行きやすいメリットがある。一方で、展示スペースが大きく取れないデメリットがある。その点で六本木のサントリーミュージアムは2階分のスペースを確保して広々とした展示が出来る。その前例に倣わず…

【明恵】鳥獣戯画

国宝の絵巻物で現代人にも親近感が涌く作品が鳥獣戯画だ。ウサギやカエルなどが滑稽な動きで描かれている作品で漫画の原型になったと言われる。 その鳥獣戯画は甲乙丙丁の4巻からなり、引用されることが多いのが甲乙の巻である。中之島の香雪美術館で開催さ…

【藤田美】仏功徳蒔絵経箱

藤田美術館展では工芸品に描かれている菩薩やゆるキャラが宣伝ポスターなどに使われている。この絵が描かれているのが仏功徳蒔絵経箱である。 経典を入れる箱は数あれど、箱単独で国宝指定を受けているのは4点(経典の付属として指定はもっとある)。その中…

【藤田美】曜変天目茶碗

奈良博 藤田美術館展 現在改装中で2022年のリニューアルオープンを目指す藤田美術館の至宝を集めた展示会が奈良国立博物館で開催されている。リニューアルに際して、その費用をねん出するために所蔵のアジアの美術品を売りに出し、300億円もの資金を…

伊予国奈良原山経塚出土品

玉川近代美術館 今治市の駅からバスで揺られること数十分。四国山脈を目指して南下するにつれて、市街地から田畑へ変わり始めた頃に玉川近代美術館の近くのバス停となり下車する。 本当に美術館があるのかと思うほどのどかな場所だが、この場に似つかわしく…

一遍聖絵

時宗を起した一遍上人の七百年遠忌記念の展覧会が国立京都博物館で開催している。 https://www.kyohaku.go.jp/jp/special/index.html 宗教家の遠忌にちなんだ展覧会はこれまでも数多く開かれている。というよりも遠忌に合せて企画が進んでいるので、この時期…

類聚古集

新元号制定による万葉集ブームの流れに乗ってほしい国宝がある。 龍谷大学が所蔵している類聚古集だ。万葉集を長歌・短歌・旋頭歌に分け、題材により分類・配列した解説で、写本として唯一現存しているものである。伏見天皇の宸筆とされる花押もあり、国宝に…

万葉集

新元号が発表され、その元ネタが万葉集から採用された。万葉集の中で国宝指定のものは3つ存在する。 もっとも完品に近いのが東博所有の元暦校本20冊。そして、残巻ではあるが京博の巻第九残巻(藍紙本)、前田育徳会所有の第三、第六巻残巻(金沢万葉)の3つ…

【龍光院展】密庵咸傑墨蹟

密庵咸傑は宋の時代の禅僧。その墨跡で唯一現存しているものが龍光院所有のモノである。密庵咸傑の系譜から著名な墨跡の著者が数多く誕生していて、虚堂智愚、蘭渓道隆、無準師範、無学祖元、清拙正澄、日本の宗峰妙超・一休宗純、夢窓疎石、雪村友梅など枚…

【龍光院】曜変天目

一昨年の国宝展では第2期の目玉であった龍光院所有の曜変天目茶碗がMIHOミュージアムで早くも再登場。行列必死の展示会へ行く。開始して2日間目、MIHOミュージアムは桜が絶景のためその前で、国宝展並みの来客はなかったが、それでも開場前に100名を超える…

木造聖徳太子・山背王・殖栗王・卒末呂王・恵慈法師坐像 5躯 法隆寺

法隆寺駅 法隆寺は国宝建築物保有数ナンバー1、国宝指定の彫刻保有数もかなりの数である。(三十三間堂の千体や平等院の供養菩薩など体数だと見劣りするが)。境内は国宝だらけの寺院である。 国宝の彫刻はすべてが建物内で保管している。なので、入場して…

梵鐘 延暦寺西寳幢院鐘

国宝の梵鐘はほとんどが寺社の所有である。現役のものもあれば、二代目に現役を譲り引退、陳列展示されているもの、特別に建屋が作られ保管されているものなど、様々な扱いがなされている。 国宝梵鐘にあって、異彩を放つのが佐川美術館か所有する梵鐘である…

【平成指定】木造千手観音立像 三十三間堂

彫刻仏像分野で千体も一度に指定した珍しい国宝。平成に入り、調査、修理が行われた。そこで多くの発見があったことが指定に繋がった。 しかし、それを待つまでもなく、同時にあれだけの仏像を作り、現代まで残っている時点で国宝でもよかったかもしれない。…

周茂叔愛蓮図 狩野正信筆

九博は新しく出来た博物館のため、国宝の所有数がほかの国立博物館に比べて少ない。所有しているのは3つ。太刀 銘来国光が東博、栄花物語が文化庁からそれぞれ所有を移管。そして、目玉となる作品として個人蔵だった周茂叔愛蓮図 狩野正信筆を購入した。 狩…

銅板法華経(33枚)・銅筥(1口) (所有者:国玉神社、管理団体:福岡県、求菩提資料館保管 1142年)

求菩提資料館に複製品が常設展されている銅板法華経と銅筥の本物が、九博の企画展で展示されている。 九博は時代別に展示が行われている。なので入口すぐに古代の展示があり、そこには国宝の宗像と宮地嶽一括出土品が展示されいて、見ごたえがある。そこを抜…

【醍醐寺展】 後宇多天皇宸翰当流紹隆教誡

九博の開催中の醍醐寺展の後半に行く。 後宇多天皇の宸翰(直筆の書)は東寺や大覚寺、神護寺所有のものが国宝となっている。後宇多天皇は2歳で皇太子、8歳で天皇となり、21歳で譲位した。若くして天皇になるが、その頃の政治は院政と藤原家の摂関政治の板挟…

片輪車蒔絵螺鈿手箱

所蔵品の多い東博では企画展(入場料だけで観ることができる展示)に見たい国宝が良く出てくる。ホームページに年間スケジュールが掲載されるので、観たいものがあれば日程を合せて訪問することができるのでありがたい。 その観たい国宝のひとつであった片輪…

【平成指定】木造叡尊坐像 善春作 西大寺

近代的な都市を計画すると統制のとれた碁盤目状に整備することが多い。その方が効率的に都市計画が実行できるためだ。京都はその代表例である。 碁盤目状の配置は左右対称となるので、寺院を配置する時は東西対で作る。京都の東寺は現在も広い伽藍が残ってい…

【東博】絹本著色山越阿弥陀図 禅林寺

東博では国宝室と題した1室で月変ごとに国宝の展示を行っている。 所有・寄託を合わせると膨大な数の国宝を所有している東博ならではの試み。希にしか展示しないものもあり、必ずチェックしたい場所だ。 今回は禅林寺の山越阿弥陀図が展示されていた。進撃…

普済寺 六面石幢

東京の多摩地区は中心部の大開発のあおりを受けて、住み場所として人が流入している。そのため駅前の開発は進み、新興住宅街として発展してきた。 普済寺のある立川も駅前はビル群が建ち並ぶ大都会で一通りのものはすべて買い揃えられる。しかし、寺のある最…

【平成指定】深大寺 銅像釈迦如来像

国宝の保有分布では東京都が多い。続くは京都、奈良になるがともに都が長くあった土地で、それゆえに多いのだろう。東京にある国宝の多くは東博や文化庁などの官公庁保有物が含まれることや、首都となった明治以降に地方の有力者が移り住んで持ち込まれたも…

【MAO美術館】手鑑

MAO美術館の太っ腹なところは基本的に撮影自由(借り物の美術品など一部は撮影NGあり)。 なので、国宝3点もルールさえ守れば取り放題。屏風や壺、彫刻といった単体ものは、じっくり見ることで特徴が記憶になんとか残るだが書跡は文字が太か細いか、楷書か草…

【MAO】紅白梅図屏風 尾形光琳

MAO美術館の国宝3点一挙公開の目玉は紅白梅図屏風である。左に白梅、右に紅梅を配して、屏風の中央に川が流れる表現を金をうまく使って表現している。川の流れは雄大にも関わらず、梅の枝葉が鋭利に躍動しているので早さを感じる。梅が咲き、春になる速さ…

【顔真卿】説文木部残巻 

王羲之を越えたと喧伝している顔真卿展。中華圏の国宝中の国宝である祭姪文稿が来日しているとあって、注目度では王羲之展を越えたかもしれない。とくに祭姪文稿を見るための行列は直筆の王羲之の書(存在が確認されていないそうだ)が見つからなければ超え…

【MAO美術館】色絵藤花文茶壺 野々村仁清

熱海にあるMAO美術館は3年前にリニューアルして以来、冬の時期に所有する国宝3点を一度に見せる展示会を開催している。 熱海駅からバスで数分。山道を登った海が望める見晴らしの良い場所に美術館はある。バス停入口からはエスカレーターを乗り継ぐ必要…

【平成指定】正倉院

国宝の指定はほぼすべて重要文化財の中から選択される。重要文化財は国の大切な財産で、数多く指定を受けているので、その中から選ぶのが最も効率的であるためである。しかし、重要文化財でないにも関わらず国宝指定を受けたものがある。正確に言えば、重要…

【平成指定】旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)

もっとも最近に造られた国宝はなにか。それは迎賓館赤坂離宮である。明治42年にのちの大正天皇が皇太子の頃に建てられた住まいで、それを外国の要人を迎えるための迎賓館にしたものである。 すべてが洋風で、細部にわたってこだわり抜いて作られた建物であ…

【平成指定】慶長遣欧使節関係資料

国宝指定で海外産のものはそう珍しくない。ただ、ほとんどが大陸文化、つまり漢字文化圏の美術品だ。輸入相手が大陸であったことに由来し、必然的な面がある。 だが、国宝の世界でも国際化が進んだのが平成だ。伊達家がヨーロッパに派遣した支倉常長たちご一…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。