国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

観た

鑁阿寺 本堂

国宝の鑁阿寺本堂は足利学校にほど近い場所にある。足利氏の氏寺で、もともとは館があった場所である。寺の周りは土塁と堀がそのままで、武士の館であった面影が残っている。幕府が開かれた鎌倉が観光地になっているのに比べて、足利は尊氏以降、上洛して政…

尚書正義 足利学校

今年は改元のあった年。新元号の令和は万葉集が典拠となって選ばれたため、珍しい国書の展示が多かった。従来の元号の典拠が漢書からだったため、漢書の国宝書籍の展示を期待していたので、選ばれずに少し残念だった。 しかし、これまでの元号は漢書からとい…

四季山水図 (山水長巻) 雪舟筆

山口県防府にある毛利博物館。戦国大名で長州藩を率いた名門・毛利家の邸宅と庭園を公開しつつ、所有していた名品を公開している。博物館と言いつつも、邸宅公開が中心。明治政府をけん引した長州藩ではあるが、政治の中心から距離的にある防府の地では豪華…

太刀 銘景光・景政 埼玉県立歴史と民俗の博物館

埼玉県立歴史と民俗の博物館は大宮市の氷川神社などがある公園の北の端にある。時間があれば公園内を散策して行くのがベストだが、最短ルートをとるなら、東武野田線で大宮公園駅を利用すると便利だ。 同館は国宝刀2振りを所有していて、普段は模造品を置い…

黒韋威胴丸 兜大袖付 厳島神社

厳島神社では毎年秋に行われる宝物名品展で本物の国宝を展示する。別棟で常設の宝物館があるが、こちらには国宝の複製が展示されているのみで、本物はこの秋の名品展のみ。春にも開催して欲しいのだが…。 令和への改元の祝い年であるため、国宝の厳島神社の…

聖徳太子絵伝 秦致貞筆

正倉院展に合わせて法隆寺宝物館では聖徳太子絵伝を展示していた。絵伝は壁面ぐらいの大きさに各場面を混ぜ込んで描いている。ちょうど日本の絵巻物の時間軸を平面に展開したような形である。 10面で聖徳太子の人生すべてを描いているので、生青壮老死のハ…

【正倉院の世界】 法隆寺献物帳 東博

毎年、奈良国立博物館で行われている人気コンテンツ「正倉院展」が即位のお祝いもあって東京でも同時期に開催された。 正倉院に保管されている宝物は聖武天皇の遺品なので1300年前のものだ。そのほとんどが美しさを失うことなく保管され続けた奇跡を毎年、奈…

紅白芙蓉図軸 李迪筆

李迪は南宋時代の宮廷画家。戦争にはからっきしだった南宋は文化の面では花開き、宮廷画家も腕を振るには絶好の時代だった。同作品は西洋の静物画に引けを取らない素晴らしい出来。酔芙蓉は一日の間で紅から白へ変化する。それを写実的に描かれており、現物…

瀟湘臥遊図巻 李氏筆

ゆったりとした時間が流れる中国大陸の雰囲気そのままに描かれた水墨画。国土の狭い日本にはない広々とした風景を狭い紙面にどう描くかが腕の見せ所。すべてを描かないで描いた部分から想像させるテクニックが秀逸である。 日本水墨画界の巨匠である雪舟は中…

無隠元晦あて法語 馮子振筆

国宝書跡で一番観てワクワクするのは、禅僧が活躍した鎌倉から室町の墨跡である。経典は格式ばった書き方で同じように写経していて面白みに欠ける。一方で和歌は美しさはあるものの読めないことも多く、書というより曲線の集合体に思えない。 その点、禅の墨…

【美のたからばこ 松濤美術館】 歌仙歌合 和泉市久保惣記念美術館

渋谷区立松濤美術館は区立美術館とは思えない充実した展示会を企画している。西洋・東洋問わず企画していて、一度は訪れたい美術館だった。そして今回久保惣美術館の名品が渋谷で観られるとあって訪れた。 渋谷区松濤という場所自体を知らず、渋谷=スクラン…

正福寺地蔵堂

東京都文化財ウィークは11月3日の文化の日を中心に各所で特別公開を行っている。普段は見ること、入ることができない文化財や施設を期間を決めて一度に公開している。関西でも関西文化の日を制定して大々的に行っているが、東京は都独自で行っている。 そ…

絹本淡彩蘭渓道隆像と、大覚禅師墨蹟 法語規則 建長寺

11月3日の文化の日前後に建長寺と円覚寺では宝物の風入り(曝涼展)を開催している。2019年の円覚寺は三井で展示会があった関係か開催しなかったが、建長寺では例年通り開催していた。 風入れ展は仏殿のある奥の建物で開催。その手前の法堂などの横の広場で…

梵鐘 建長寺

建長寺は元号を冠する鎌倉五山第一位の名寺で、鎌倉の禅宗寺院の筆頭に位置する。ちなみに円覚寺は第二位だ。鎌倉幕府は平安密教との決別と、中国とのパイプを深めるために禅宗を庇護した。庇護された寺院は立派に作られ、その名残が現在まで脈々と残った。…

舎利殿 円覚寺

神奈川県内唯一の国宝建築。舎利殿は文化の日(11月3日)前後と正月三が日に一般公開している。普段は修行の場所のようで非公開。見学した時も修行僧が出入りしていた。禅宗様式の建物で、花頭窓や屋根の組み方など特徴がよくわかる。 公開は建物までで中…

梵鐘 円覚寺

北鎌倉駅近くにある円覚寺。最近では三井記念美術館で大寺宝展が開催されていたことは記憶に新しい。その円覚寺の国宝で建築物以外で移動が困難なのが「洪鐘」(おおがね)である。 洪鐘とは大きな釣り鐘のことで、1301年(正安3年)の刻銘されており、製造…

群書治要

631年に中国の唐の太宗皇帝が命じて編纂した政治のための参考書。経書や晋代までの正史、その他の古来の群書から、政治上の要項を抜き出して配列している。ただ中国本土には残っておらず、平安時代に写した最古のものが日本で国宝となっている。 九条家に伝…

文選集注

動産の国宝は各地で開催される展示会に出品されることがある。しかし、東洋文庫ミュージアムは貸出しているのを観たことがない。その代わりに、各企画展に1つ展示してくれるので、毎回チェックが必要。今回は北斎をテーマにした展示なのだが、国宝の文選集注…

木造無著・世親立像 興福寺

南円堂の特別公開に合わせて北円堂も同時公開していたので、合わせて拝観した。 運慶展で多くのファンを獲得したからか、堂内は熱心に観る人が多かった。望遠鏡や単眼鏡などでじっくり観る人もチラホラおり、参拝というよりは美術鑑賞の様相を呈していた。 …

木造弥勒仏座像 東大寺

東大寺ミュージアムの絶対的エースである誕生釈迦仏立像が大英博物館での展示で不在となっている。その合間を縫って展示されているのが、東大寺の裏番長、木造弥勒仏座像だ。 横長の顔に切れ長の目、立憲民主の枝野幸男を超える福耳が相まって、忘れがたい独…

三十六家集 本願寺

室町から明治にかけて巻物も褒美のひとつとなり、名品たちが断簡にされて名門家の家宝に仕立て上げられた。書のなかには手鏡としてそれらを収集して一冊の本に仕上げたものもある。ただ、多くは切断された単品を茶室サイズ(床の間に飾る)に合わせ、掛け軸…

五部心観 三井寺

開祖・円珍が唐への留学中の855 年に,青竜寺の法全 から授けられたインド伝来の世界最古の金剛界曼荼羅。色着いていない墨の線だけで描かれた白描図像で、曼荼羅の図解本、いわば虎の巻である。 比叡山(山門派)が修行場のパラダイスであるに対して、園城…

光浄院客殿 三井寺

勧学院の特別公開見学の後、光浄院客殿の工事現場見学へ行く。屋根の葺き替え工事中でこのタイミングでないと屋根を間近で見ることはできない。 勧学院同様こちらも客殿ということでホテルになる。寝殿造と書院造の特長を併せ持つハイブリッドホテル。それぞ…

勧学院客殿 三井寺

三井寺にある勧学院はここ数年屋根の葺き替え工事中だった。平成の終わり頃から始まった工事も令和に入り無事完了。それを記念して特別公開された。 とはいっても、屋根をじっくり見ることが出来る訳ではなく、あくまでも屋内の見学のみ。そして、客間の豪華…

太刀 銘真恒 久能山東照宮

広島県では安芸と備後でぞれぞれ城主が変わって400年の記念イベントが開かれている。備後・福山城は譜代大名の水野家が入封して400年のメモリアルイヤー。そこで、久能山東照宮のお宝をふ城郭内にあるふくやま美術館で一挙公開している。 東照宮といえ…

木造不空羂索観音菩薩坐像 興福寺南円堂

毎年10月17日の1日だけ見学できる興福寺南円堂。今年は西国三十三ヶ所参り1300年と天皇即位を記念して11月10日まで見ることができる。 国宝で1日限りの御開帳は珍しくないが、それらの安置場所は同日以外人通りが少ない。しかし、この南円堂に…

寒山拾得図断簡 因陀羅筆 礎石梵埼賛 東京国立博物館

広島県では二つの400年にまつわる展示会が開催されている。県西部の安芸の国では福島正則改易後、浅野家が入城してちょうど400年目にあたる展示会を開催している。 浅野家といえば赤穂の匠頭が知名度に勝るが、そちらは別家で宗家は安芸広島藩城主である。豊…

名物稲葉江  岩国美術館

相州正宗、粟田口吉光と共に「天下三作」に数えられる郷義弘。享保名物帳では同氏作を十一口掲載している。その中でも、名刀の誉れ高いのが前田家に伝わる「富田江」と「稲葉江」である。富田は前田育徳会所有で、もしかしたら展示会などへの出品の可能性が…

福岡一文字吉房(岡田切吉房) 東京国立博物館

東京国立博物館の常設展には常に何らかの国宝が展示されている。国宝を展示するためだけの部屋もあり、年間のスケジュールが春先に公開されるので、見学のスケジュールが立て易い。 2019年の秋も多くの国宝刀を観た。その締めくくりに東博の本館13室に…

羽黒山五重塔

国宝の五重塔は9基指定を受けているが、羽黒山の五重塔以外は西日本にある。東日本唯一の五重塔で、国宝の塔としても最北にある。 修験道の地である出羽三山に鎮座する塔は冬の雪深い中で長年耐え忍んだ力強い塔である。昨年が明治維新以来の内部公開あり、…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。