国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

観た

釈迦如来坐像 蟹満寺

JR奈良線の棚倉駅から徒歩で20分。大きな一戸建てと田んぼ、線路や川を渡った先に国宝を所有する蟹満寺がある。蟹満寺は木津川の支河沿いにあるので船が往来していた時代には好立地だったのだろう。今昔物語に出てくる蟹の恩返し縁起で有名なお寺で、堂内…

入唐求法巡礼行記 円仁記 兼胤筆

京都国立博物館は毎年恒例の干支にちなんだ動物の展示と、各テーマごとの名品ギャラリー展となっている。改元があって初めてのお正月というとことで、紫宸殿障壁画や各神社の狛犬・獅子の彫刻、源氏物語絵巻などにぎにぎしい展示となっていた。 書籍のコーナ…

八角堂 栄山寺

平安時代に国内を牛耳った藤原家。その南家の菩提寺が栄山寺だ。藤原南家自体は奈良時代の恵美押勝の乱により失脚してしまった。藤原家全盛の時代だったことから栄山寺自体は鎌倉時代まで栄えた。しかし、藤原家の没落とともに寺勢はなくなり、一時は無住の…

梵鐘 栄山寺

国宝の梵鐘は14点ある。その保管方法には2種類あり、風雨にさらされながら現役バリバリのものと、国宝になったので鐘としてではなく工芸品としての保管するため新築の建物内に保管するものがある。現役は東大寺や円覚寺、建長寺、當麻寺、観世音寺がそう…

慈眼院 多宝塔

関西国際空港に近い日根野駅から歩いても行ける日根神社。犬鳴山へ向かうバスに乗るとすぐに着く神社だ。神社自体は何の変哲もないどこにでもありそうな村を守る神社で、正月なので地域の人が初詣出客にお接待している。入口には一軒だけ露店が出ていたが、…

元興寺極楽坊本堂

近鉄奈良駅から商店街を向けると奈良町に入る。繁華街からは離れた住宅地で、少し古びた街並みの中には飲食店もところどことあり、観光客もよく歩いている。 街中にはなるのだが、昔はこの場所すべてが元興寺の境内だったというぐらい名門寺院には国宝が4つ…

薬師如来立像 元興寺

奈良国立博物館の旧館は仏像館として彫刻の数々が展示されている。半分以上は同じものが並んでいるが、調査や修繕が終わったものを入れ替える形で展示が変わっている。 元興寺の薬師如来立像は年末から登場した国宝彫刻である。お笑いトム・ブラウンのボケ、…

令和の国宝を振り返りつつ展望する

元号の変更により新時代となった日本。日常が極端に変わったことはないはずだが、それなりに心機一転した年だった。 さて、国宝を観る的には大豊作の年であった。令和の引用元とされる万葉集を中心に、派生した国宝の日本書紀の展示、漢籍から引用されると予…

太刀 安綱 号童子切

奈良・春日大社の国宝殿で今日から開催している安綱・古伯耆展は大混雑で幕を開けた。 初日なので、狐キャラクターのこんのすけが登場していたこともあり、普段の国宝殿には見られない刀剣女子が大挙して来ていた。まず、行列が出来ることがない展示会場で、…

太刀 吉房 ふくやま美術館

今年、国内屈指の刀剣を保有している小松コレクションが遺族の意向でふくやま美術館に寄贈された。国宝刀剣7本を含むもので、一気に国内有数の国宝ホルダー美術館となった。そして満を持して所蔵品展示の一企画として寄贈品の一部が展示された。 常設展示は3…

【正倉院展in東博】竜首水瓶 法隆寺献納宝物

東博での正倉院展は実物大の正倉院の模型が展示してあった。展示というより設置の方がふさわしい大きさだった。東大寺の北のはずれにある正倉院は平日の昼間に一般公開されているので、気軽に見に行くことが出来る。ただし、あくまでも観るだけで近づくこと…

太刀 長船景光(号 小龍景光) 東博

国宝刀剣保有数ナンバー1の東博。刀の展示コーナーは四半期ぐらいで入れ替えがある。入れ替え毎に違う国宝刀が展示されるので、特別展の開催に合わせて観に行くと、新たな刀と出会うことができる。(東博所有の刀だけでも大規模な企画展が組めそう) 刀工の…

富岡製糸場

明治以降の製造物で国宝指定2例目(第1号は迎賓館赤坂離宮)となった富岡製糸場。近代日本の礎を築くため、外国へ輸出するキラーコンテンツと白羽の矢が当たった生糸を大量生産するために作られた施設である。 明治政府は維新の御旗のひとつである開国をな…

鑁阿寺 本堂

国宝の鑁阿寺本堂は足利学校にほど近い場所にある。足利氏の氏寺で、もともとは館があった場所である。寺の周りは土塁と堀がそのままで、武士の館であった面影が残っている。幕府が開かれた鎌倉が観光地になっているのに比べて、足利は尊氏以降、上洛して政…

尚書正義 足利学校

今年は改元のあった年。新元号の令和は万葉集が典拠となって選ばれたため、珍しい国書の展示が多かった。従来の元号の典拠が漢書からだったため、漢書の国宝書籍の展示を期待していたので、選ばれずに少し残念だった。 しかし、これまでの元号は漢書からとい…

四季山水図 (山水長巻) 雪舟筆

山口県防府にある毛利博物館。戦国大名で長州藩を率いた名門・毛利家の邸宅と庭園を公開しつつ、所有していた名品を公開している。博物館と言いつつも、邸宅公開が中心。明治政府をけん引した長州藩ではあるが、政治の中心から距離的にある防府の地では豪華…

太刀 銘景光・景政 埼玉県立歴史と民俗の博物館

埼玉県立歴史と民俗の博物館は大宮市の氷川神社などがある公園の北の端にある。時間があれば公園内を散策して行くのがベストだが、最短ルートをとるなら、東武野田線で大宮公園駅を利用すると便利だ。 同館は国宝刀2振りを所有していて、普段は模造品を置い…

黒韋威胴丸 兜大袖付 厳島神社

厳島神社では毎年秋に行われる宝物名品展で本物の国宝を展示する。別棟で常設の宝物館があるが、こちらには国宝の複製が展示されているのみで、本物はこの秋の名品展のみ。春にも開催して欲しいのだが…。 令和への改元の祝い年であるため、国宝の厳島神社の…

聖徳太子絵伝 秦致貞筆

正倉院展に合わせて法隆寺宝物館では聖徳太子絵伝を展示していた。絵伝は壁面ぐらいの大きさに各場面を混ぜ込んで描いている。ちょうど日本の絵巻物の時間軸を平面に展開したような形である。 10面で聖徳太子の人生すべてを描いているので、生青壮老死のハ…

【正倉院の世界】 法隆寺献物帳 東博

毎年、奈良国立博物館で行われている人気コンテンツ「正倉院展」が即位のお祝いもあって東京でも同時期に開催された。 正倉院に保管されている宝物は聖武天皇の遺品なので1300年前のものだ。そのほとんどが美しさを失うことなく保管され続けた奇跡を毎年、奈…

紅白芙蓉図軸 李迪筆

李迪は南宋時代の宮廷画家。戦争にはからっきしだった南宋は文化の面では花開き、宮廷画家も腕を振るには絶好の時代だった。同作品は西洋の静物画に引けを取らない素晴らしい出来。酔芙蓉は一日の間で紅から白へ変化する。それを写実的に描かれており、現物…

瀟湘臥遊図巻 李氏筆

ゆったりとした時間が流れる中国大陸の雰囲気そのままに描かれた水墨画。国土の狭い日本にはない広々とした風景を狭い紙面にどう描くかが腕の見せ所。すべてを描かないで描いた部分から想像させるテクニックが秀逸である。 日本水墨画界の巨匠である雪舟は中…

無隠元晦あて法語 馮子振筆

国宝書跡で一番観てワクワクするのは、禅僧が活躍した鎌倉から室町の墨跡である。経典は格式ばった書き方で同じように写経していて面白みに欠ける。一方で和歌は美しさはあるものの読めないことも多く、書というより曲線の集合体に思えない。 その点、禅の墨…

【美のたからばこ 松濤美術館】 歌仙歌合 和泉市久保惣記念美術館

渋谷区立松濤美術館は区立美術館とは思えない充実した展示会を企画している。西洋・東洋問わず企画していて、一度は訪れたい美術館だった。そして今回久保惣美術館の名品が渋谷で観られるとあって訪れた。 渋谷区松濤という場所自体を知らず、渋谷=スクラン…

正福寺地蔵堂

東京都文化財ウィークは11月3日の文化の日を中心に各所で特別公開を行っている。普段は見ること、入ることができない文化財や施設を期間を決めて一度に公開している。関西でも関西文化の日を制定して大々的に行っているが、東京は都独自で行っている。 そ…

絹本淡彩蘭渓道隆像と、大覚禅師墨蹟 法語規則 建長寺

11月3日の文化の日前後に建長寺と円覚寺では宝物の風入り(曝涼展)を開催している。2019年の円覚寺は三井で展示会があった関係か開催しなかったが、建長寺では例年通り開催していた。 風入れ展は仏殿のある奥の建物で開催。その手前の法堂などの横の広場で…

梵鐘 建長寺

建長寺は元号を冠する鎌倉五山第一位の名寺で、鎌倉の禅宗寺院の筆頭に位置する。ちなみに円覚寺は第二位だ。鎌倉幕府は平安密教との決別と、中国とのパイプを深めるために禅宗を庇護した。庇護された寺院は立派に作られ、その名残が現在まで脈々と残った。…

舎利殿 円覚寺

神奈川県内唯一の国宝建築。舎利殿は文化の日(11月3日)前後と正月三が日に一般公開している。普段は修行の場所のようで非公開。見学した時も修行僧が出入りしていた。禅宗様式の建物で、花頭窓や屋根の組み方など特徴がよくわかる。 公開は建物までで中…

梵鐘 円覚寺

北鎌倉駅近くにある円覚寺。最近では三井記念美術館で大寺宝展が開催されていたことは記憶に新しい。その円覚寺の国宝で建築物以外で移動が困難なのが「洪鐘」(おおがね)である。 洪鐘とは大きな釣り鐘のことで、1301年(正安3年)の刻銘されており、製造…

群書治要

631年に中国の唐の太宗皇帝が命じて編纂した政治のための参考書。経書や晋代までの正史、その他の古来の群書から、政治上の要項を抜き出して配列している。ただ中国本土には残っておらず、平安時代に写した最古のものが日本で国宝となっている。 九条家に伝…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。