国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

考古

東大寺金堂鎮壇具 東大寺

奈良博で毎年行われているお水取り展を見に行った。そこで、東大寺ミュージアムで行われている「二月堂ー修二会を支える法会空間ー」を合わせて観覧すると散華がもらえるとの情報をゲットし、久しぶりに東大寺ミュージアムへ入った。 東大寺には度々訪れてい…

藤ノ木古墳出土 文化庁

橿原考古学研究所附属博物館には文化庁所蔵の藤ノ木古墳出土が展示してある。特別展では宗像大社の沖ノ島遺跡出土品と比べる形で展示していたが、かなり似ていることに驚いた。この両者の国宝を比較する展示会は初めてだそうだ。 大陸の窓口である沖ノ島の出…

金銅製龍頭 沖ノ島5号遺跡出土 宗像大社

橿原考古学研究所付属博物館で開催されている沖ノ島と大和展に行った。橿原神宮の外れにある博物館で、駅からも微妙な距離があった。しかしながら、ぽつぽつと見学者が来ていた。 日本史的には空白の4~5世紀の出土品で、文字が明ける以前を知る貴重な品で…

北海道白滝遺跡群出土品 遠軽町埋蔵文化財センター

令和5年新指定 国宝・重要文化財の企画展が平成館で開催されている。実に4年ぶりだそうで、これまでは本館での開催だったものが、平成館での開催となっていた。ついこの前まで東博150年記念展示会を2階で行っていたが、訪れた時は閉まっていて、祭の後の…

福岡県宗像大社沖津宮祭祀遺跡出土品・伝福岡県宗像大社沖津宮祭祀遺跡出土品

宗像大社は福岡県宗像市にある神社。御神体は沖ノ島で、島では現在でも女人禁制、禊や一木一草一石たりとも持ち出し禁止となっている。 古くから海上・交通安全の神として信仰されている。そのため、島では連綿と祭祀が行われてきたが、立ち入りが制限されて…

宮地嶽古墳出土品 宮地嶽神社

福岡県福津市にある宮地嶽神社。大陸と九州をつなぐ玄関口に位置し、参道は玄海灘まで真っすぐ伸びている。その神社には奥之院八社があり、三番社・不動神社がある場所に宮地嶽古墳はある。江戸時代末期に発見された。石室が全長は23mあり、全国で2番目に長…

奈良県藤ノ木古墳出土品 文化庁

奈良県藤ノ木古墳出土品は文化庁所蔵で奈良県立橿原考古学研究所附属博物館が保管する文化財である。この古墳は斑鳩町にあり、法隆寺から350メートルほどしか離れていない場所にある。法隆寺はもともと聖徳太子が住んでいたとされる場所なので、人々の往…

群馬県綿貫観音山古墳出土品 文化庁

令和の国宝である群馬県綿貫観音山古墳出土品は文化庁が所蔵しているが、保管は群馬県立歴史博物館となっている。綿貫観音山古墳は6世紀の後半に築造されたと推定される古墳である。被葬者は分かっておらず、そのためもあってか未盗掘の古墳から大量の副葬品…

奈良県東大寺山古墳出土品 東京国立博物館

奈良県東大寺山は天理市にある。東大寺とあると奈良市内を想像するがそうではない。自然地形を利用した北向の前方後円墳で、 「中平」銘金象嵌花形飾環頭大刀は紀年銘をもつ日本最古の遺物が見つかった。中平とは後漢の霊帝の年号で、184~189年である。そし…

武蔵埼玉稲荷山古墳出土品 埼玉県立さきたま史跡の博物館

埼玉の由来となった場所にある古墳、埼玉(さきたま)稲荷山で発掘された出土品は日本の歴史を記す古事記や日本書紀の記述を裏付ける発見となった。 出土品した金錯銘鉄剣は、115字からなる銘文が刻まれていた。その内容がヤマト政権との関係性が分かるも…

肥後江田船山古墳出土品 東京国立博物館

先週は古墳時代の遺跡で大発見が相次いだ。熊本城跡から出土の鉄刀は甲子年の銘文が刻まれていて、聖徳太子時代に地方に配られた可能性が高まった。そして、日本最大の円墳である奈良県の富雄丸山古墳では前例ない盾形銅鏡出土した。ニュースでは国宝級とも…

北海道白滝遺跡群出土品 遠軽町埋蔵文化財センター

東博で行われる今年度分の新指定国宝・重要文化財展が1月31日〜2月19日で開催されることとなった。コロナ前までは、前年度分の新指定国宝・重要文化財を4月中旬からゴールデンウィーク最終盤までの期間で開催していた。しかし、気候の良い春先だと人…

本宮御料古神宝類・蒔絵箏 春日大社

若宮には摂社・末社として合わせて62社が祀られている。その中で15社巡りが一番ポピュラーなお参りの方法である。15社が寄り添うように建てられているので巡りやすい。各地域の神様がお住まいになっていることから、奈良(大和)王朝が中央集権的な権…

【東博150年】埴輪 挂甲の武人

東博150周年記念展も最終日。のはずが、急遽18日まで会期を特別に延長することが決定!!これも東博の所蔵品で固めた展示会だからできる粋な計らいである。 さて、所蔵国宝89件すべて見せるを目玉に、第2部では東博の起こりから、未来の国宝候補、寄贈…

木簡 平城京跡

大津市歴史博物館で壬申の乱展を見た。壬申の乱の後に遷都した都が平城京で、その痕跡を再確認したくて、平城京跡資料館に行った。 ここはその名の通り、平城京跡に建つ資料館。跡地からは木簡や当時使用していた食器などが大量に見つかった。幸か不幸か、平…

【壬申の乱】崇福寺塔心礎納置品 近江神宮

日本史の教科書に出てくる初めての乱が壬申の乱だった。大化の改新(いまは乙巳の変というそうだ)とともに、1学期のテスト範囲で必死に覚えた記憶がある。鮮明に記憶する名称の展示会だったので、行くことに躊躇しなかった。詰め込み教育が役に立った瞬間…

【東博150年】袈裟襷文銅鐸

香川県で出土した銅鐸。神戸市所有の銅鐸に非常に似ている。表面に当時の日常風景としてのピクトグラム風の絵が描かれている。海をまたいで兵庫と香川は近いので、文化的な交流品だったかもしれない。 レア★☆☆観たい★☆☆コラボ★☆☆ emuseum.nich.go.jp

【東博150年】江田船山古墳出土品

銀象嵌銘が彫られた大刀が有名。肥後・熊本県の江田船山で出土した。稲荷山古墳から出土した鉄剣とともに銘が彫られていることで、本格的な記録的文章としては日本列島で書かれた最古の例となる。その他に鏡や勾玉も出土している。 レア★☆☆観たい★☆☆コラボ★☆☆…

【東博150年】埴輪 挂甲の武人

埴輪は東博のマスコットキャラクターになっている。そのため、この企画展では中心的役割を担うこととなるが、普段から展示されているので新鮮味はあまりない。 昭和後期に子供時代を過ごした方なら「おーい!はに丸」を思い起こさせる。この番組の主人公・は…

【東博150年】東大寺山古墳出土品

奈良県天理市の東大寺山古墳で発掘された品。武器や武具類、革製漆塗楯などが多量に出土した。大刀には紀年銘が金象されており、時代の分かる大刀としては日本最古の遺物となる。武具のほかもに埋葬された勾玉や石製品なども数多くの品が発掘されている。 レ…

【東博150年】文祢麻呂墓出土品

江戸時代後期に大和国宇陀郡八滝村で出土した遺跡品。渡来系の武人の墓で「日本書紀」や「続日本紀」にもその名が見られる。有力武将の墓からの出土品として、当時を知るうえで大変貴重な品となっている。火葬されたことが確認できる墓誌が出土したことから…

【東博150年】七弦琴

来年の国宝関連の展示会で一番楽しみなのは東京国立博物館150周年記念展示会である。なにせ、国内では最多の国宝保有数を誇る東博が、出し惜しみなくすべての所有国宝をこの時期に展示すると発表したためだ。そこで、2022年秋に向けて東博所有の国宝をひとつ…

桜ヶ丘遺跡出土 銅鐸・銅戈 神戸市立博物館

東京オリンピック・パラリンピックが終わった。今回はパラリンピックのテレビ中継が多かった気がする。そこで、健常者スポーツでメジャーなものは各団体の世界大会に任せて(現に超一流選手が揃っていない)、パラリンピックとマイナー競技の大会にして、商…

【天平礼賛】石川年足墓誌 大阪府高槻市真上町出土 個人蔵

大阪市廃止法案、またの名を大阪都構想で二分された大阪市で開催されている美術展、天平礼賛はもっと注目されてもよさそうな展示会である。(ちなみに都になることはこの選挙の賛成多数でもないのに、都構想というのはミスリードでは) あべのハルカスを望む…

【三井15周年】銅製船氏王後墓誌

大阪府柏原市で見つかった日本最古の墓誌。668年に作られたとされる墓誌は銅製金属板の表面に86文字、裏面に76文字、計162文字を刻んでいる。短冊形状で長さ約30cm、幅が約7cmとプレートしてそれほど大きなものではない。相当古い(当たりまでだが)の…

高松塚古墳

高松塚古墳の発見が昭和の古代史ブームの火付け役となった。1970年に村民により偶然発見された切り石はやがて世紀の大発見へとつながった。 1972年から本格的な発掘が開始され、翌年の1973年には特別史跡、されには1974年4月17日に国宝の指定を受ける。この…

キトラ古墳

奈良県明日香村は戦後にようやくパンドラの箱が開いた古代ロマン薫る村である。 戦前までは聖徳太子以後の文明が日本史として語られ、それ以前のもの、特に古墳に関する研究は現人神たちの領域のためできなかった。森鴎外も帝諡考を残すぐらい研究はしていた…

桜ヶ丘銅鐸・銅戈 神戸市立博物館

昨年リニューアル工事を終えて再開した神戸市立博物館。2020年はコートードル美術館やボストン美術館など、超メジャー美術館の特別展が開催される予定だった。しかし、コロナ禍のため中止となった。大型特別展が中止となったことで、神戸市立美術館はコレク…

伊予国奈良原山経塚出土品

愛媛県には四国では最多の12件の国宝がある。そのうち、8件は大山祇神社が所有し、3件は松山市内の寺社建築となっている。それらは常設で見学が比較的容易であるが、奈良原山経塚で見つかった国宝はこのところ春秋の限定公開のみとなっている。 遺跡から見…

桜ヶ丘銅鐸・銅戈群 神戸市立博物館

港町・神戸には洋風建築物がよく似合う。 明治初期に外国人居留地となった神戸は明治から大正にかけて港が見渡せる山際に多くの住居が出来た。その名残がある北野・異人館はおしゃれな洋風住宅が建ち並び、異国情緒を味わえる観光名所となっている。 市の中…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。