国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

書跡

古今和歌集序 大倉集古館

大倉集古館が5年間のリニューアル工事を経て、久々の開館となった。それを記念して、同館所有の国宝3点が出品される「桃源郷展」が開催されている。ただ、3点同時には観ることができず、随身庭騎絵巻物は後半、前半は古今和歌集序がお目見えする。 集古館…

法華経一品経 慈光寺

京都の泉屋博古館での「文化財よ、永遠に」を観た感動を再び味わう為、分館での展示会へ出かける。分館は東京・六本木にあり、京都と違い、周りは高層オフィスビルと大使館に囲まれた緑の少なく風情のない場所にある。 展示室は2室のみで東京館などの表記を…

明月記 藤原定家筆 冷泉家時雨亭文庫

明月記は住友財団修復助成30周年「文化財よ、永遠に」の泉屋博古館(京都)に展示している。56年間の日々を書き綴った藤原定家直筆の日記で、歴史的な人物が50年以上書き続けた日記では最古級である。 明治維新後、京の公家たちは天皇を追いかけるよう…

日本書紀 前田育徳会

石川県立美術館には国宝ファン垂涎の場所がある。前田家ゆかりのものを展示している1室である。本館2階、色絵雉香炉が置かれている第1展示室すぐ横にある前田育徳会所有物を展示する尊経閣文庫別館がそれである。 おおよそ2か月ごと、あるいは特別展や企…

【京都名品展】古林清茂墨蹟 月林 長福寺

古林清茂は元時代の禅僧で、その門下には了庵清欲、竺仙梵僊、日本の月林道皎、石室善玖などを輩出した名伯楽である。俗姓が林だそうで、「はやし きよしげ」と読めば親近感がわくが、古がついて「くりん せいむ」と読むようだ。 名伯楽は弟子たちに多くの書…

【京都名品展】禅院額并牌 東福寺

禅寺は簡素な生活で修行を積む中で、いろいろな教育を受ける。その一つは書である。いまご朱印ブームで、寺院は勿論神社などでも墨で書かれた朱印を授けている。もともとは写経を収めた証明的なものだったそうだが、いまやスタンプラリーの代わりになってい…

【京都名品展】菩薩処胎経 知恩院

知恩院の御影堂の大修理が今年ようやく終わり、1年かけて仏具荘厳の搬入や堂内設備工事などがあり、来年4月に晴れて落慶法要が行われる。この御影堂は国宝で、国宝建築は改修ラッシュで、東西の本願寺や二条城、滋賀の延暦寺、奈良の薬師寺東塔などあちこ…

【京都名品展】宗峰妙超墨蹟 開山 妙心寺

力強い「開山」の字。禅寺に掲げるにふさわしい墨跡。臨済宗の僧・宗峰妙超こと大燈国師が起毛した。宗峰は花園上皇や後醍醐天皇などの帰依を受けた。大徳寺を開山したことでも知られ、南北朝時代を渡り歩いた。藤原家を支えた旧京都の仏教勢力と違う、新興…

【京博名品展】後嵯峨天皇宸翰消息

東博での仁和寺展で見たものと再開。天皇の直筆である宸翰で、それを手紙として出したものが消息。天皇から直接お手紙をもらったら、末代までの家宝にするだろう。にもかかわらず、ほとんど残っていない。まず、天皇自身が書くことが珍しい。明治以降の天皇…

【京博名品展】後鳥羽天皇宸翰御手印置文

手形付の天皇の書。 天皇は日々多くの付き人を従えて生活しているはず。その人々が見ている中で、後鳥羽天皇が両手に朱肉をつけて、書に押し付ける風景は権力と程遠い。玉璽を押すの違い、自ら望まない限り完成しない御手印。しかも両手。よほどの思いが詰ま…

【京博名品展】法華経巻第七(運慶願経) 真正極楽寺

書や仏教の展示で経典が陳列されていることがよくある。そして、ご多分に漏れず意味も分からず、読み砕くこともできないので、ほとんどの場合は文字を眺めて終わる。その時の感想は決まって「うまい文字を書くものだな」。で、その文字は専門の職人がいるこ…

【京都名品展】古今和歌集(曼珠院本) 

カラフルな色紙に書かれた古今和歌集。こちらも藤原行成筆の可能性があるようだが、伝承などに残っていないので作者不明。 京都の北東にある曼珠院は比叡山と御所の間にある。御所からはちょうど鬼門の位置にあり、近くには修学院離宮や赤山禅院などがある。…

一字蓮台法華経 龍興寺

奈良博でも夏休みに合せて企画展を実施している。どうぶがモデルの美術品を集めたいのりの世界のどうぶつえんは子供たちも多く来ていた。ただ国宝が地獄草紙や地獄草紙、辟邪絵とトラウマになりそうな絵があり、囲ってみたい人だけに見せる配慮をしていた。 …

【京博名品展】書巻(本能寺切) 藤原行成筆

三蹟の一人、藤原行成の書で国宝は3点。東博の白楽天詩巻と正木美術館の後嵯峨院本の白氏詩巻、それと今回出展の本能寺所有の書巻である。 最初の2つは平安貴族に好まれた白居易の詩文を独自の書風で書いたもの。それに対して書巻は雲母刷のある唐紙に菅原…

【京博名品展】大般若経 太平寺

書籍エリアの展示はすべて国宝。しかも掛け値なしの名品と展示の少ない貴重国宝で固めている。 大平寺の大般若経は長屋王が発願して作った経典。長屋王とは、天武天皇の長男である高市皇子の皇子で、天皇の孫にあたる嫡流筋の人物だ。しかし、藤原家との対立…

類聚古集 龍谷大学

龍谷の至宝展は龍谷大学380周年記念の展示会。西本願寺の向かいにある龍谷ミュージアムで行われている。入場料金が企画展の価格500円と安いにも関わらず、大谷探検隊が収集したものや西本願寺から龍谷大学へ所有が変わっている秘蔵の品が陳列されている。 な…

宝積経要品 足利尊氏・直義・夢窓疎石筆 (前田育徳会)

九州博物館では室町幕府展が開催されている。室町時代は大陸との貿易が大成功したことから文化が開花した時代である。足利義満が建てた金閣寺や義政が築いた東山文化など、現代の日本美術史の黄金時代の一つである。 しかし、今回のテーマは室町幕府。派手な…

延喜式 国立東京博物館

延喜5年に醍醐天皇の命で編纂が開始されたので延喜式と命名。式は律令を執行するために必要な細かな規則のことで、日本の法律事例集の祖となる。なので、和歌や俳句のような芸術性はなく、経典のように淡々とした書である。 原本はすでになく、平安時代の写…

大般涅槃経集解 輪王寺

輪王寺宝物館は東照宮に近い方の入り口近くにあり、輪王寺とは一番遠い場所にある。 敷地の関係でこの場所に出来たのだろうが、それほど訪れている人はいなかった。おそらくは輪王寺の名称を見て、東照宮とは違うと判断した人が多かったからだろう。 宝物館…

史記 孝景本紀第十一 大江家国筆

大東急記念文庫創立70周年記念の展示が五島美術館で年間を通じて開催している。戦時中に関東の私鉄を合併して肥大化した東急電鉄。戦後に分離されて元に戻り、現在の運営域になったが、それでも関東では上位の私鉄となっている。そんな東急が大きかった時…

法華経一品経 慈光寺

埼玉県立歴史と民俗の博物館で慈光寺所有の法華経が公開されていた。この歴史と民俗の博物館は国宝の日本刀2本所有していて、今回見に行った時はレプリカだった。慈光寺経は平成20年から修理が進められて平成27年に大々的に公開された。刀同様に常設で…

後宇多天皇宸翰 御手印遺告

大覚寺では改元を祝して、保有の国宝2点を公開。 春秋の特別公開時には力の入った宝物公開があるが、今回は気合入りまくりの展示だった。後宇多天皇の御手印と弘法大師伝(ともに国宝)に加えて、60年に1度公開される嵯峨天皇宸翰の般若経の複製も披露されて…

類聚古集

新元号制定による万葉集ブームの流れに乗ってほしい国宝がある。 龍谷大学が所蔵している類聚古集だ。万葉集を長歌・短歌・旋頭歌に分け、題材により分類・配列した解説で、写本として唯一現存しているものである。伏見天皇の宸筆とされる花押もあり、国宝に…

万葉集

新元号が発表され、その元ネタが万葉集から採用された。万葉集の中で国宝指定のものは3つ存在する。 もっとも完品に近いのが東博所有の元暦校本20冊。そして、残巻ではあるが京博の巻第九残巻(藍紙本)、前田育徳会所有の第三、第六巻残巻(金沢万葉)の3つ…

【龍光院展】密庵咸傑墨蹟

密庵咸傑は宋の時代の禅僧。その墨跡で唯一現存しているものが龍光院所有のモノである。密庵咸傑の系譜から著名な墨跡の著者が数多く誕生していて、虚堂智愚、蘭渓道隆、無準師範、無学祖元、清拙正澄、日本の宗峰妙超・一休宗純、夢窓疎石、雪村友梅など枚…

【醍醐寺展】 後宇多天皇宸翰当流紹隆教誡

九博の開催中の醍醐寺展の後半に行く。 後宇多天皇の宸翰(直筆の書)は東寺や大覚寺、神護寺所有のものが国宝となっている。後宇多天皇は2歳で皇太子、8歳で天皇となり、21歳で譲位した。若くして天皇になるが、その頃の政治は院政と藤原家の摂関政治の板挟…

【MAO美術館】手鑑

MAO美術館の太っ腹なところは基本的に撮影自由(借り物の美術品など一部は撮影NGあり)。 なので、国宝3点もルールさえ守れば取り放題。屏風や壺、彫刻といった単体ものは、じっくり見ることで特徴が記憶になんとか残るだが書跡は文字が太か細いか、楷書か草…

【顔真卿】説文木部残巻 

王羲之を越えたと喧伝している顔真卿展。中華圏の国宝中の国宝である祭姪文稿が来日しているとあって、注目度では王羲之展を越えたかもしれない。とくに祭姪文稿を見るための行列は直筆の王羲之の書(存在が確認されていないそうだ)が見つからなければ超え…

催馬楽譜

国宝を見始めて一番の問題はいつ公開されるか。建物のように行けば何時で見ることができるものや、展示室などで常設展示されているものは空いた時間で行ける。また、宗教上の理由や文化財保護法の関係で展示日数が限られていたり、季節限定や期間限定などが…

翰苑 巻第丗 太宰府天満宮

応天の門 天満宮は全国各地にあり、国宝もそれぞれの地にある。有名なのは建物としての北野天満宮。学問の神様の総本山は、左遷されてかの地で亡くなった菅原道真を祀るために造られた。国宝・北野天神縁起はその物語を絵巻物にして伝承を伝えるもので、京都…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。