国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

書跡

類聚古集 龍谷大学

龍谷の至宝展は龍谷大学380周年記念の展示会。西本願寺の向かいにある龍谷ミュージアムで行われている。入場料金が企画展の価格500円と安いにも関わらず、大谷探検隊が収集したものや西本願寺から龍谷大学へ所有が変わっている秘蔵の品が陳列されている。 な…

宝積経要品 足利尊氏・直義・夢窓疎石筆 (前田育徳会)

九州博物館では室町幕府展が開催されている。室町時代は大陸との貿易が大成功したことから文化が開花した時代である。足利義満が建てた金閣寺や義政が築いた東山文化など、現代の日本美術史の黄金時代の一つである。 しかし、今回のテーマは室町幕府。派手な…

延喜式 国立東京博物館

延喜5年に醍醐天皇の命で編纂が開始されたので延喜式と命名。式は律令を執行するために必要な細かな規則のことで、日本の法律事例集の祖となる。なので、和歌や俳句のような芸術性はなく、経典のように淡々とした書である。 原本はすでになく、平安時代の写…

大般涅槃経集解 輪王寺

輪王寺宝物館は東照宮に近い方の入り口近くにあり、輪王寺とは一番遠い場所にある。 敷地の関係でこの場所に出来たのだろうが、それほど訪れている人はいなかった。おそらくは輪王寺の名称を見て、東照宮とは違うと判断した人が多かったからだろう。 宝物館…

史記 孝景本紀第十一 大江家国筆

大東急記念文庫創立70周年記念の展示が五島美術館で年間を通じて開催している。戦時中に関東の私鉄を合併して肥大化した東急電鉄。戦後に分離されて元に戻り、現在の運営域になったが、それでも関東では上位の私鉄となっている。そんな東急が大きかった時…

法華経一品経 慈光寺

埼玉県立歴史と民俗の博物館で慈光寺所有の法華経が公開されていた。この歴史と民俗の博物館は国宝の日本刀2本所有していて、今回見に行った時はレプリカだった。慈光寺経は平成20年から修理が進められて平成27年に大々的に公開された。刀同様に常設で…

後宇多天皇宸翰 御手印遺告

大覚寺では改元を祝して、保有の国宝2点を公開。 春秋の特別公開時には力の入った宝物公開があるが、今回は気合入りまくりの展示だった。後宇多天皇の御手印と弘法大師伝(ともに国宝)に加えて、60年に1度公開される嵯峨天皇宸翰の般若経の複製も披露されて…

類聚古集

新元号制定による万葉集ブームの流れに乗ってほしい国宝がある。 龍谷大学が所蔵している類聚古集だ。万葉集を長歌・短歌・旋頭歌に分け、題材により分類・配列した解説で、写本として唯一現存しているものである。伏見天皇の宸筆とされる花押もあり、国宝に…

万葉集

新元号が発表され、その元ネタが万葉集から採用された。万葉集の中で国宝指定のものは3つ存在する。 もっとも完品に近いのが東博所有の元暦校本20冊。そして、残巻ではあるが京博の巻第九残巻(藍紙本)、前田育徳会所有の第三、第六巻残巻(金沢万葉)の3つ…

【龍光院展】密庵咸傑墨蹟

密庵咸傑は宋の時代の禅僧。その墨跡で唯一現存しているものが龍光院所有のモノである。密庵咸傑の系譜から著名な墨跡の著者が数多く誕生していて、虚堂智愚、蘭渓道隆、無準師範、無学祖元、清拙正澄、日本の宗峰妙超・一休宗純、夢窓疎石、雪村友梅など枚…

【醍醐寺展】 後宇多天皇宸翰当流紹隆教誡

九博の開催中の醍醐寺展の後半に行く。 後宇多天皇の宸翰(直筆の書)は東寺や大覚寺、神護寺所有のものが国宝となっている。後宇多天皇は2歳で皇太子、8歳で天皇となり、21歳で譲位した。若くして天皇になるが、その頃の政治は院政と藤原家の摂関政治の板挟…

【MAO美術館】手鑑

MAO美術館の太っ腹なところは基本的に撮影自由(借り物の美術品など一部は撮影NGあり)。 なので、国宝3点もルールさえ守れば取り放題。屏風や壺、彫刻といった単体ものは、じっくり見ることで特徴が記憶になんとか残るだが書跡は文字が太か細いか、楷書か草…

【顔真卿】説文木部残巻 

王羲之を越えたと喧伝している顔真卿展。中華圏の国宝中の国宝である祭姪文稿が来日しているとあって、注目度では王羲之展を越えたかもしれない。とくに祭姪文稿を見るための行列は直筆の王羲之の書(存在が確認されていないそうだ)が見つからなければ超え…

催馬楽譜

国宝を見始めて一番の問題はいつ公開されるか。建物のように行けば何時で見ることができるものや、展示室などで常設展示されているものは空いた時間で行ける。また、宗教上の理由や文化財保護法の関係で展示日数が限られていたり、季節限定や期間限定などが…

翰苑 巻第丗 太宰府天満宮

応天の門 天満宮は全国各地にあり、国宝もそれぞれの地にある。有名なのは建物としての北野天満宮。学問の神様の総本山は、左遷されてかの地で亡くなった菅原道真を祀るために造られた。国宝・北野天神縁起はその物語を絵巻物にして伝承を伝えるもので、京都…

入道右大臣集 前田育徳会

石川県立美術館の2階には前田育徳会保有の美術品を展示するスペースがある。江戸時代は加賀藩であった石川県は前田家が支配していた。徳川政権下では外様大名である前田家は武の強化は難しい立場だったことから、芸術振興に力を注いでいた。それが今日まで…

【国宝】史記 呂后本紀第九 毛利博物館

2018年、国宝展が山口で開催!と聞くと、居ても経ってもいられずに行ってしまった。 開催は山口県防府市で、毛利家邸跡に置かれた博物館。何度か同様のテーマで開催していたようで、今年は維新150年の記念イヤーのための開催だ。本邸自身も見応えのあ…

【正木美術館 開館50周年記念】 三体白氏詩巻 

正木美術館は今年で開館50周年を迎える。それに伴い記念展示として、一片開花と題した展示会が行われている。正木美術館に行ったことが無かったので、この機会に行ってみた。 行く前まではせっかくの50周年なのだから3期に分けて開催するよりも一度に見て…

【九博】王羲之 日本の書

最後の最後で間に合った。王羲之を中心に書を集めた展示「王羲之と日本の書」を九州国立博物館へ観に行った。王は3つの書体を使い分け、フォントの多様性を生み出し新しい書の世界を切り開いた。中国の科挙の試験では王の書き方でなければ内容が正しくても…

【醍醐寺】大日経開題 弘法大師筆 

真言宗の宗主者である空海。かなりファンタジー寄りの主演映画も現在公開されている。この前まで東博で開催されていた仁和寺も真言宗で、この宗派の寺宝の多さには驚かされる。 そんな中でも空海の自筆の書は派閥形成にはなくてはならないアイテムだろう。醍…

【醍醐寺】狸毛筆奉献表

空海が嵯峨天皇へ献上した上表文。空海が筆の名人と呼ばれるのは様々な字体を書き分ける能力があったからだ。生真面目な最澄は大陸から伝わった書の書き方がほとんどで、空海のように四書体を書き分ける器用さはない。 三十帖冊子でもそうだったが、どうして…

【醍醐寺】宋版一切経

昨年に国宝指定を受けた宋版一切経は醍醐寺では新入りの国宝である。東大寺復興の立役者である重源が宋から持ち帰ったものを醍醐寺に納められたものが現代まで伝わっている。 展示は大切に保管していたことが分かるように保管していた箱が後ろの壁面に配置さ…

【東洋文庫】史記 夏本紀第二

三菱財閥の美術館では、これまで丸の内の三菱一号館美術館と二子玉川の静嘉堂文庫美術館に行ったことがあった。そして今回、初めて東洋文庫に行った。 他の二館と違って、目を引く特別企画展が行われることは少なく、なかなか興味を持てなかった。そうこう言…

王羲之 円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書 小野道風筆

勅書は公式中の公式書物。それを書く人はその時代の最高の書家になる。小野道風はその最高の書家にふさわしい書き手である。型にはまったお雇い筆記と違う美しさが見て取れる。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆

王羲之 本能寺切詩書巻 藤原行成筆

外題箋を見ると権跡とあり行成の筆ということが分かる。和漢朗詠集の中の小野篁 や菅原道真、紀長谷雄の漢文の一節を書写している。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆

王羲之 白氏詩巻 藤原行成

白居易の詩集を藤原行成が写したもの。伏見天皇が遺愛した品で、紙背のつなぎ目には伏見天皇の花押がある。天皇が愛した字を一度間近で拝見したい。 レア ★☆☆ 観たい ★★☆

王羲之 秋萩帖 伝小野道風・伝藤原行成筆

巻頭が安幾破起乃で始まるためこの名前がついた。和歌48首の書き写しのあとに、王羲之の尺牘11通を臨写している。同展示会で見ずしてどこでみるのだろうという代物。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆

王羲之 法語・規則 蘭渓道隆筆

日本で最初の禅師の称号を手にした蘭渓道隆が書いた書。僧侶たちに怠慢を諫めて、ルールに乗っ取るように示したものだ。工事現場の安全第一や学校での廊下を走らないといった感じ。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆

王羲之 金剛般若経開題残巻 空海筆

昨年の夏のブラタモリで高野山を取り上げられたり、主人公になった映画の公開もあり、空海ブームが再来している。 ところが、空海とは何者なのかというカテゴリーが困難を極める。最もポピュラーなものは宗教家で密教の伝教師である。そして、ブラタモリでは…

王羲之 大燈国師墨蹟 妙心寺

花園天皇は洛西の景勝地に離宮を造営して静寂のひと時を過ごしていた。仏教にも帰依していたことから、離宮を禅刹にしようと考えた。そこで大徳寺を開山した僧・大燈国師に相談し、法嗣である慧玄にその業務を委託し、完成したのが妙心寺である。 妙心寺を開…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。