国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

書跡

類聚古集

新元号制定による万葉集ブームの流れに乗ってほしい国宝がある。 龍谷大学が所蔵している類聚古集だ。万葉集を長歌・短歌・旋頭歌に分け、題材により分類・配列した解説で、写本として唯一現存しているものである。伏見天皇の宸筆とされる花押もあり、国宝に…

万葉集

新元号が発表され、その元ネタが万葉集から採用された。万葉集の中で国宝指定のものは3つ存在する。 もっとも完品に近いのが東博所有の元暦校本20冊。そして、残巻ではあるが京博の巻第九残巻(藍紙本)、前田育徳会所有の第三、第六巻残巻(金沢万葉)の3つ…

【龍光院展】密庵咸傑墨蹟

密庵咸傑は宋の時代の禅僧。その墨跡で唯一現存しているものが龍光院所有のモノである。密庵咸傑の系譜から著名な墨跡の著者が数多く誕生していて、虚堂智愚、蘭渓道隆、無準師範、無学祖元、清拙正澄、日本の宗峰妙超・一休宗純、夢窓疎石、雪村友梅など枚…

【醍醐寺展】 後宇多天皇宸翰当流紹隆教誡

九博の開催中の醍醐寺展の後半に行く。 後宇多天皇の宸翰(直筆の書)は東寺や大覚寺、神護寺所有のものが国宝となっている。後宇多天皇は2歳で皇太子、8歳で天皇となり、21歳で譲位した。若くして天皇になるが、その頃の政治は院政と藤原家の摂関政治の板挟…

【MAO美術館】手鑑

MAO美術館の太っ腹なところは基本的に撮影自由(借り物の美術品など一部は撮影NGあり)。 なので、国宝3点もルールさえ守れば取り放題。屏風や壺、彫刻といった単体ものは、じっくり見ることで特徴が記憶になんとか残るだが書跡は文字が太か細いか、楷書か草…

【顔真卿】説文木部残巻 

王羲之を越えたと喧伝している顔真卿展。中華圏の国宝中の国宝である祭姪文稿が来日しているとあって、注目度では王羲之展を越えたかもしれない。とくに祭姪文稿を見るための行列は直筆の王羲之の書(存在が確認されていないそうだ)が見つからなければ超え…

催馬楽譜

国宝を見始めて一番の問題はいつ公開されるか。建物のように行けば何時で見ることができるものや、展示室などで常設展示されているものは空いた時間で行ける。また、宗教上の理由や文化財保護法の関係で展示日数が限られていたり、季節限定や期間限定などが…

翰苑 巻第丗 太宰府天満宮

応天の門 天満宮は全国各地にあり、国宝もそれぞれの地にある。有名なのは建物としての北野天満宮。学問の神様の総本山は、左遷されてかの地で亡くなった菅原道真を祀るために造られた。国宝・北野天神縁起はその物語を絵巻物にして伝承を伝えるもので、京都…

入道右大臣集 前田育徳会

石川県立美術館の2階には前田育徳会保有の美術品を展示するスペースがある。江戸時代は加賀藩であった石川県は前田家が支配していた。徳川政権下では外様大名である前田家は武の強化は難しい立場だったことから、芸術振興に力を注いでいた。それが今日まで…

【国宝】史記 呂后本紀第九 毛利博物館

2018年、国宝展が山口で開催!と聞くと、居ても経ってもいられずに行ってしまった。 開催は山口県防府市で、毛利家邸跡に置かれた博物館。何度か同様のテーマで開催していたようで、今年は維新150年の記念イヤーのための開催だ。本邸自身も見応えのあ…

【正木美術館 開館50周年記念】 三体白氏詩巻 

正木美術館は今年で開館50周年を迎える。それに伴い記念展示として、一片開花と題した展示会が行われている。正木美術館に行ったことが無かったので、この機会に行ってみた。 行く前まではせっかくの50周年なのだから3期に分けて開催するよりも一度に見て…

【九博】王羲之 日本の書

最後の最後で間に合った。王羲之を中心に書を集めた展示「王羲之と日本の書」を九州国立博物館へ観に行った。王は3つの書体を使い分け、フォントの多様性を生み出し新しい書の世界を切り開いた。中国の科挙の試験では王の書き方でなければ内容が正しくても…

【醍醐寺】大日経開題 弘法大師筆 

真言宗の宗主者である空海。かなりファンタジー寄りの主演映画も現在公開されている。この前まで東博で開催されていた仁和寺も真言宗で、この宗派の寺宝の多さには驚かされる。 そんな中でも空海の自筆の書は派閥形成にはなくてはならないアイテムだろう。醍…

【醍醐寺】狸毛筆奉献表

空海が嵯峨天皇へ献上した上表文。空海が筆の名人と呼ばれるのは様々な字体を書き分ける能力があったからだ。生真面目な最澄は大陸から伝わった書の書き方がほとんどで、空海のように四書体を書き分ける器用さはない。 三十帖冊子でもそうだったが、どうして…

【醍醐寺】宋版一切経

昨年に国宝指定を受けた宋版一切経は醍醐寺では新入りの国宝である。東大寺復興の立役者である重源が宋から持ち帰ったものを醍醐寺に納められたものが現代まで伝わっている。 展示は大切に保管していたことが分かるように保管していた箱が後ろの壁面に配置さ…

【東洋文庫】史記 夏本紀第二

三菱財閥の美術館では、これまで丸の内の三菱一号館美術館と二子玉川の静嘉堂文庫美術館に行ったことがあった。そして今回、初めて東洋文庫に行った。 他の二館と違って、目を引く特別企画展が行われることは少なく、なかなか興味を持てなかった。そうこう言…

王羲之 円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書 小野道風筆

勅書は公式中の公式書物。それを書く人はその時代の最高の書家になる。小野道風はその最高の書家にふさわしい書き手である。型にはまったお雇い筆記と違う美しさが見て取れる。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆

王羲之 本能寺切詩書巻 藤原行成筆

外題箋を見ると権跡とあり行成の筆ということが分かる。和漢朗詠集の中の小野篁 や菅原道真、紀長谷雄の漢文の一節を書写している。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆

王羲之 白氏詩巻 藤原行成

白居易の詩集を藤原行成が写したもの。伏見天皇が遺愛した品で、紙背のつなぎ目には伏見天皇の花押がある。天皇が愛した字を一度間近で拝見したい。 レア ★☆☆ 観たい ★★☆

王羲之 秋萩帖 伝小野道風・伝藤原行成筆

巻頭が安幾破起乃で始まるためこの名前がついた。和歌48首の書き写しのあとに、王羲之の尺牘11通を臨写している。同展示会で見ずしてどこでみるのだろうという代物。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆

王羲之 法語・規則 蘭渓道隆筆

日本で最初の禅師の称号を手にした蘭渓道隆が書いた書。僧侶たちに怠慢を諫めて、ルールに乗っ取るように示したものだ。工事現場の安全第一や学校での廊下を走らないといった感じ。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆

王羲之 金剛般若経開題残巻 空海筆

昨年の夏のブラタモリで高野山を取り上げられたり、主人公になった映画の公開もあり、空海ブームが再来している。 ところが、空海とは何者なのかというカテゴリーが困難を極める。最もポピュラーなものは宗教家で密教の伝教師である。そして、ブラタモリでは…

王羲之 大燈国師墨蹟 妙心寺

花園天皇は洛西の景勝地に離宮を造営して静寂のひと時を過ごしていた。仏教にも帰依していたことから、離宮を禅刹にしようと考えた。そこで大徳寺を開山した僧・大燈国師に相談し、法嗣である慧玄にその業務を委託し、完成したのが妙心寺である。 妙心寺を開…

王羲之 大手鑑 陽明文庫

鑑はいろいろな書の良い部分を切り集めたスクラップ帳である。鑑にすることで有名なものや貴重なものが1冊にまとめて読むことができ、コレクター冥利に尽きる逸品に仕上げることができる。公家の最高峰のひとつである近衛家が集めたものだけあって、貴重なも…

王羲之 光定戒牒 嵯峨天皇筆 延暦寺

九州国立博物館で開催されている王羲之と日本の書には数多くの国宝が出品されている。日本の書は王羲之の書いた文字が基本書体となって発展してきた。その中で日本独特の書きかたが三筆により誕生した。すなわち空海・橘逸勢、そして嵯峨天皇によってである…

【仁和寺展】医心方

先週のBS日テレのぶらぶら美術・博物館では仁和寺展の特集が放送されていた。そのためかアクセス数も若干伸びた。テレビの威力を改めて感じた。と同時に、テレビの限界も感じた。どうしても尺の問題からすべてを紹介することはできない。また、インスタ映…

【奈良博】大毘盧遮那成仏神変加持経 西大寺

西大寺展は昨年1年間かけて東京・大阪・山口と巡回展覧会を開催した。そして、ようやく奈良へお戻りになったことを記念?して、特別展の写経に西大寺の寺宝が陳列されていた。国宝の大毘盧遮那成仏神変加持経と金光明最勝王経が一室の端の方に陳列されいる。…

【仁和寺展】誓願寺建立縁起 誓願寺

仁和寺展となっているが、御室派のものも含む題だけに各地から名品が集まっている。その中で、2月12日までの展示でぜひ見ておきたいのは誓願寺建立縁起だ。単なる建立に至るまでの歴史書と思えばそれほどまでではないが、これば栄西が書いた書というならば…

【仁和寺展】高倉天皇宸翰消息

高倉天皇は平家全盛期に8歳で天皇に即位。20歳で安徳天皇へ譲位した。そして譲位した翌年に亡くなった。まさに時代にほんろうされた天皇である。その唯一の宸翰が仁和寺の寺宝として展示されている。 1178年11月13日にのちの安徳天皇が生まれた喜…

【仁和寺展】御室相承記

盛り上がりを見せている仁和寺展。すべてが国宝・重文クラスを取りそろえた運慶展に比べると地味な展示もある中で、普段は現地の仁和寺ですら見ることができないものや、御室派の名品たちが揃っているということもあり、ネット内でも高評価が多い。 開祖であ…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。