国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

彫刻

【京博名品展】五智如来坐像 安祥寺

ここ2年ほど京博に鎮座している安祥寺の五智如来像。この間に国宝へと昇格し、一部は新国宝指定のお披露目で東博まで出張展示。晴れで京博で5体そろい踏みの展示となった。令和最初の国宝指定の彫刻だが、すでに別の国宝指定も誕生しており、新鮮味はない。…

【京博名品展】四天王像のうち多聞天立像 浄瑠璃寺

1階へと移るとまずは彫刻ゾーンへ。そこには浄瑠璃寺の四天王像がある。 浄瑠璃寺は木造阿弥陀如来坐像9体が有名。観無量寿経の教えにある九品往生を基づき、平安時代中期の藤原家全盛期には様々なお寺に座像が寄進されたようだ。ところが応仁の乱を筆頭に…

五智如来坐像 安祥寺

京都国立博物館に昨年から展示されている安祥寺の五智如来坐像が文化庁から平成最後の国宝指定の答申を受けた。それの前に同じ場所に鎮座していた金剛寺の大日三尊も国宝になったので、1階の彫刻展示コーナーは国宝候補お披露目の間と言ってもよいかもしれ…

木造聖徳太子・山背王・殖栗王・卒末呂王・恵慈法師坐像 5躯 法隆寺

法隆寺駅 法隆寺は国宝建築物保有数ナンバー1、国宝指定の彫刻保有数もかなりの数である。(三十三間堂の千体や平等院の供養菩薩など体数だと見劣りするが)。境内は国宝だらけの寺院である。 国宝の彫刻はすべてが建物内で保管している。なので、入場して…

【平成指定】木造千手観音立像 三十三間堂

彫刻仏像分野で千体も一度に指定した珍しい国宝。平成に入り、調査、修理が行われた。そこで多くの発見があったことが指定に繋がった。 しかし、それを待つまでもなく、同時にあれだけの仏像を作り、現代まで残っている時点で国宝でもよかったかもしれない。…

【平成指定】木造叡尊坐像 善春作 西大寺

近代的な都市を計画すると統制のとれた碁盤目状に整備することが多い。その方が効率的に都市計画が実行できるためだ。京都はその代表例である。 碁盤目状の配置は左右対称となるので、寺院を配置する時は東西対で作る。京都の東寺は現在も広い伽藍が残ってい…

【平成指定】深大寺 銅像釈迦如来像

国宝の保有分布では東京都が多い。続くは京都、奈良になるがともに都が長くあった土地で、それゆえに多いのだろう。東京にある国宝の多くは東博や文化庁などの官公庁保有物が含まれることや、首都となった明治以降に地方の有力者が移り住んで持ち込まれたも…

【平成指定】 木造薬師如来坐像 仁和寺

年末年始、「平成最後」というフレーズをよく聞いた。 そこで、平成に指定された国宝が気になったので、ピックアップしていく。 平成最初の国宝指定は仁和寺の木造薬師如来坐像だった。85年以来5年ぶりの国宝指定。仁和寺の秘仏として大切に守られてきたも…

薬師如来坐像 獅子窟寺

年始の1月1日から3日まで公開している国宝としては薬師寺の吉祥天像が有名である。そして、同時期に自由に見ることができる国宝として獅子窟寺の薬師如来坐像がある。予約を入れれば誰でも見ることができるが、せっかく開放しているのだから、見に行くほ…

臼杵磨崖仏

大分県の国東半島では密教の修行の場として多くの寺院が建っている。その中でも珍しいのが臼杵にある石仏群である。崖を磨いて作ったことから磨崖仏というそうだが、磨くというより削ったように見える。 臼杵磨崖仏が国宝に指定されたのは1995年で、磨崖…

【東博】 名作誕生 つながる日本美術

3月、大阪・中之島に都市型美術館・香雪美術館が誕生した。関東では珍しくなくなった複合施設内の美術館だが、全国的にはまだまだ珍しい。この美術館は芦屋にある朝日新聞の創業の村山家が蒐集した美術品を展示している香雪美術館の兄弟的な存在で、ビル内に…

【醍醐寺】薬師如来及び両脇侍像

薬師如来と脇侍は、もともと修行場となる山の上にある上醍醐に安置されていた。だが、上醍醐では十数年前の落雷による火災が起こり文化財としての保管議論が起きた。時々下山していた(もちろん人の手によって運ばれた)像は議論の末、保管環境にすぐれた霊…

【平等院】雲中供養菩薩像

2018年。世の中は大人数アイドルグループ人気のピークが来ている。おニャン子クラブに始まる大量アイドル生産は30数年の時を経てビジネスモデルを確立した。仏教界でも大人数仏全盛期があった。十二天像や十六羅漢、二十五菩薩、五百羅漢などがある。…

【平等院】木造天蓋

定朝作の阿弥陀如来坐像をじっくり観ていると、案外見逃してしまうのが天井との間にある木造の天蓋。如来に合わせて造られているので一体として観がちで、考えようによっては建物一部に観えるのが、列記とした国宝物である。 平等院の阿弥陀様以上の大きさの…

【平等院】阿弥陀如来坐像

浄土思想には阿弥陀如来がサポート役として必須である。阿弥陀さんが天から人々を救い出すために念仏を唱えて主張するというのが庶民信仰の定番である。そんな阿弥陀様を誰も観たことがない(はず)。しかし、阿弥陀如来と言えば平等院に坐しているものを無…

【仁和寺展】千手観音菩薩坐像 葛井寺

運慶展には及ばないまでも、かなりの込み具合の仁和寺展が今週でいよいよフィナーレとなる。御室派の名品が一挙公開とあって、普段見ることができないもの多く、大変楽しめる展示会であった。 前期の初めに三十帖冊子の一挙公開を見に行ったが、目玉である葛…

【東大寺】誕生釈迦仏立像及び灌仏盤

この春、東大寺ミュージアムは一時休館する。メンテナンスもあるが、目的は震災の被災地である東北でのお出かけ展示会を開催するためだ。 そのメインの展示はもちろん誕生釈迦仏立像及び灌仏盤だ。釈迦は仏の道を諭したインド人である。宗教が誕生して広まる…

【東大寺】木造弥勒仏坐像

4年前にハルカス美術館で開催された東大寺展が東北でも開催される。国家安寧を祈念するために造られた官寺・東大寺が震災復興のために一役買うのは自明の理である。なので、寺宝を惜しげもなく展示する。国宝は8件、重文は21件に及ぶ。ただ、東大寺の仏像た…

國華 普賢菩薩騎象像 大倉集古館

日本最古の美術雑誌のひとつ國華の周年イベント。発行元の朝日新聞の周年も加えて、豪華なラインナップが登場する予定だ。 「名作誕生つながる日本美術」展はは東博で4月13日〜5月27日で開催。昨年秋の国宝展には及ばないまでも、国宝でない名品たちも…

【仁和寺展】阿弥陀如来坐像および両脇侍立像

いつもは春・秋に公開される仁和寺の霊宝館に鎮座している阿弥陀如来坐像。寺の中心的仏像ではあるが、その地位を2代目に譲り、特別な時に顔を出す。先代の親方的存在で、隠居はしているがまだまだ現役バリバリ。 浄土思想が蔓延して大量の仏像が誕生した時…

【興福寺 】天燈鬼・竜燈鬼立像

昨年春の興福寺・仮講堂特別公開や運慶展の最後のコーナーでも目を引いた燈鬼像。運慶の子・康弁作で、筋肉ムキムキの小鬼が塔を持ち挙げる力強さを見事に表現している。 他の仏像に比べると小振りであるにも関わらず、肉感・迫力・インパクトは大きさに反比…

【興福寺】十大弟子立像

光明天皇の発願により734年に完成した像。名称の通りもともとは十躯あったが、伝わっているのは六躯である。 ふくよかな菩薩像や屈強な力士像に比べると、やせ形のガリガリで生命力に欠ける像である。しかし、それぞれが個性的であるため、単なる仏像に比…

【興福寺】八部衆立像

興福寺の仏像群で一番人気は八部衆の阿修羅像であろう。最近の調査で童顔の阿修羅は元はもっと怖い顔だったことが分かるなど、研究が進んでいる。 八部衆は異教の神が仏教の護法神になったので、顔や体が異形のものの組み合わせでできている。迦楼羅などはお…

【興福寺】木造千手観音菩薩立像

興福寺の国宝館が元日に再開した。昨年は耐震工事のため1年間閉館していて、その間に東博で運慶展が催され、多くの仏像が出品されていた。 国宝館のセンターはもちろん千手観音。リニューアル前もそうだったように、5メートルを超える大型仏像は中心にふさわ…

【奈良博】義淵僧正坐像 岡寺

金剛寺の降三世明王像があるべき金堂へお戻りになった。そのバトンを受けたのが義淵僧正坐像である。大きさや迫力は降三世明王には遠く及ばず、見た感じも情けない顔となっている。なら仏像館には大きな仏像も多く、どうしても等身大に近い坐像となるとイン…

仁和寺展 阿弥陀如来坐像および両脇侍立像

仁和寺展で金堂の内陣を再現したコーナーができるということは、阿弥陀如来坐像と脇侍が主役になるということだ。普段は金堂の真ん中、奥深くに鎮座している阿弥陀如来は信仰の中心である。門跡寺院である仁和寺では皇族が門主となっていたので、国家安寧を…

【道明寺】十一面観音立像

道明寺天満宮のすぐ隣に道明寺がある。いや、道明寺の隣に天満宮があるといった方が正しい。道明寺は真言宗御室派に属していて、東博の仁和寺展へは国宝の十一面観音立像が出品される。そのため、今回を見逃すと現地では4月まで見ることができない。 国宝指…

仁和寺展 千手観音菩薩坐像 葛井寺

来月、東博で開催される仁和寺展。御室派の寺宝が一堂に会する展示会で、一番の見どころはポスターにも登場している葛井寺の千手官能菩薩坐像である。 後半期からの登場で、約400年ぶりに箱根の山を越える来るそうだ。千手観音像は数多あるが、ほんとうに…

【東大寺】金剛力士像

南大門が目立たない理由。それは鎌倉時代の仏像彫刻をけん引した慶派が制作した金剛力士像が鎮座しているからだ。2017年の春は快慶、秋は運慶の展示会が開催され、それぞれ話題となったが、展示会へ行かずとも無料でしかも屋外展示?している立像に会え…

【東大寺】廬舎那仏坐像

大は小を兼ねる。大仏は見るからにインパクト大。どの角度にいても大仏が見下ろしているように思え、拝んだことは必ず聞いてもらえそうだ。そこから万人が救いを求め、拝観者を増やす好循環を生むのだろう。美術品というよりも構造物に分類してもよさそうだ…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。