国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

彫刻

阿弥陀三尊像 地蔵菩薩立像 二天像 中尊寺金色院

昨年5月に訪れた平泉にある中尊寺。震災以前に訪問したことがあったが、その時は国宝に興味がなく、改めての訪問だった。観光客はそれほど多くなく、ゆったりと拝観することが出来た。もちろん、金色堂も参拝したが、お堂全体をガラス張りで囲う展示方式で…

日光菩薩立像・月光菩薩立像 東大寺

東大寺ミュージアムの中心的な仏像は千手観音立像(重文)であるが、国宝はその脇侍である日光月光菩薩立像である。お松明の後ろにある写真にもある通り、派手さは平安時代に作られた千手観音が勝る。一方で、菩薩像は奈良時代に作られたことで、お顔立ちに…

【密教マンダラ】諸尊仏龕 金剛峯寺

高野山金剛峰寺が所蔵する弘法大師空海ゆかりの三大秘宝のひとつが諸尊仏龕である。(ほかは聾瞽指帰、金銅三鈷杵(飛行三鈷杵))モバイル型の仏壇で、観音開きの内部に細かな彫刻で仏たちを彫っている。 空海関連の展示会では3点がセットで展示されること…

【密教マンダラ】五智如来坐像 安祥寺

京博1階に長らく展示されていた安祥寺の五智如来坐像。ここ最近は特別展などがあってか見ていないと思ったら、奈良博の特別展へ出品されるようだ。仏教美術の殿堂である奈良博では国宝に指定されて初めてのお披露目となる(京博以外の展示が初めて)。 京博…

維摩居士坐像 法華寺

法華寺は国宝を3点所蔵している。特別公開時は3点すべて見ることが出来るが、普段は十一面観世音菩薩立像と阿弥陀如来三尊及び童子画像は公開していない。唯一、常時見ることができるのが維摩居士坐像である。 維摩居士坐像は本堂の左手にある入り口にある…

十一面観音菩薩立像 法華寺

海龍王寺からすぐ近くにある法華寺門跡でも秋の特別公開が行われたいた。本堂の十一面観音菩薩立像は少し変わった特徴がある。仏さまの像の背後には後光が差すような演出の光背が据え付けられることがある。法華寺の本尊は蓮のつぼみや葉を後光のように配し…

廬舎那仏坐像 東大寺

奈良と言えば大仏。奈良通いが過ぎると小仏ばかり見に行ってしまうので、久方ぶりに再会した。年末のすす払いは必ずニュースになるので、身近に感じているが見ると感嘆する。外国人観光客でなくてもアメイジングと言いたくなる大きさだ。正面は写真撮影でご…

良弁僧正坐像 東大寺

正倉院展が奈良国立博物館で開催された期間、法華堂で東大寺開山良弁僧正1250年御遠忌を記念して良弁僧正坐像が公開されていた。 良弁は東大寺の開山に尽力した人物で、巨大な寺院伽藍を建築するために資材を集めた場所にある石山寺の開山にも関わっている。…

木造天燈鬼・龍燈鬼立像 興福寺

遅くなったが、ユネスコ世界遺産登録25周年記念で発売された古都奈良の文化財を堪能できる六社寺共通拝観券をゲットした。直接購入が奈良の観光案内所と東京のアンテナショップだけで、宿泊施設などでも予約購入可能だが泊まる機会はないので奈良市内まで…

【ユネスコ25周年】唐招提寺 通常拝観

春に訪れた東北歴史博物館で唐招提寺の鑑真和上坐像を見た。ユネスコ登録25周年では特別御開帳はなさそうだが、通常拝観でも唐招提寺の多数の国宝を見ることが出来る。 観ることが出来る国宝を挙げると、金堂 乾漆盧舎那仏坐像、木心乾漆薬師如来立像、木…

【ユネスコ25周年】薬師寺 白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍

ユネスコ登録25周年での薬師寺は白鳳伽藍と玄奘三蔵院伽藍を拝観できる。ただし、玄奘三蔵院伽藍は1月15日まで。 12年の歳月をかけた大修理が完了し、今年4月に落慶法要が行われた東塔。それを祝して東塔・西塔の特別公開が行われている。今回のチケット…

【ユネスコ25周年】興福寺 国宝館

興福寺の記念チケットの拝観場所は国宝館である。 国宝指定を受けている彫刻の1割以上、17件を保有する興福寺で、国宝館には8件が収蔵されている。仏頭、十大弟子立像、八部衆立像、板彫十二神将立像、金剛力士立像、天燈鬼・龍燈鬼立像、千手観音立像、…

【ユネスコ25周年】東大寺 大仏殿

1998年12月2日に「古都奈良の文化財」がユネスコ世界遺産に登録され、今年が25周年の節目となる。それを記念して、この秋に様々な取り組みを行う。 その中で最も興味があるのが六社寺共通拝観券である。六社とは東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺…

六社寺共通拝観券 古都奈良の文化財

古都・奈良の文化財がユネスコ世界遺産に登録されて25周年を記念した特別拝観券の発売を22日から開始した。 奈良市内の六社寺を回れる共通拝観券で、そのメンバーがすごい。 東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺と宗派の違う大寺院たち…

千手観音坐像 蓮華王院

蓮華王院こと三十三間堂は見どころが多いため、ついご本尊の存在を忘れがちである。 本尊は千手観音坐像で、千手観音でかつ坐像の国宝は葛井寺の本尊と三十三間堂の2体だけである。葛井寺の観音様は大きさ的には150cmに満たない(座っているため)が、三…

二十八部衆像 蓮華王院

鎌倉仏師の代表である慶派作品は興福寺や東大寺など南都仏教界に多く残っているイメージがある。力強い作風で平安から鎌倉、貴族社から武家政権へ変わるシンブル的な位置づけと捉えていた。三十三間堂にも力強い慶派作品がある。二十八部衆は筋肉の躍動感が…

千体千手観音立像 蓮華王院

唯一無二の言葉がふさわしいのが千体千手観音立像だ。人の大きさぐらいの千手観音立像がずらりと約千体(寄託されているものが一部あるよう)並ぶ。一体でも地方の寺なら本尊クラスとなるところ、千体となると圧巻としか言いようがない。本堂の構造はこの千…

風神・雷神像 蓮華王院

蓮華王院(三十三間堂)の風神と雷神は国宝彫刻物で同じ指定内にも関わらずかなり離れた地位で鎮座している。二十八部衆や千体千手観音立像を護るようにお堂の端と端に置かれているためだ。入り口近くに風神、最も遠い折り返しの場所に雷神がある。豪華な千…

阿弥陀如来坐像 浄瑠璃寺

浄瑠璃寺の阿弥陀如来坐像の修復を終えたことを祝した展示会が奈良博で行われている。聖地南山城(みなみやましろ)と題して、京都と奈良の境目に集まる仏像たちが集結している。 京都と奈良をつなが道は山を越えて移動する方法と、木津川など水運を活用した…

無著・世親菩薩立像 興福寺

国宝彫刻の最高傑作は無著・世親菩薩立像だと思う。他の祖師像はどこか仏頂面だが、無著・世親菩薩立像は写実的に彫られた表情がなんともアンニュイでそれでいて玉眼がさらに鋭さを演出している。北円堂内にあるので威厳を感じるが、単独で展示していたら高…

木心乾漆四天王立像 興福寺

興福寺には国宝の四天王立像が4組(16体!?)も存在している。東金堂内にあるのが平安初期の作品。中金堂にある四天王立像が2017年まで南円堂にあったもの。南円堂のものは仮金堂にあったものがスライドして置かれている。この3組はすべて木造である。 …

弥勒如来坐像 興福寺

北円堂の中心に座るのは弥勒如来坐像である。運慶作とされていたが、慶派一門の源慶が中心となって制作されたようだ。写真の看板で右側が弥勒様となっており、南円堂の本堂には不空羂索観音菩薩坐像(左)に比べると装飾が少なくシンプルな像になっている。…

金色堂堂内諸像及び天蓋 金色院

金色堂はその名の通り、壁という壁に金箔が貼られて、黄金に輝いている。秀吉の作った黄金の茶室の復元をたまに見るが、その大きさの比ではない。なにせ、中には30体以上の仏像が所狭しと並ぶだけの広さがある。その仏像たちも黄金に輝いているばかりか、…

鑑真和上坐像 唐招提寺

鑑真和上坐像は2021年春に京都国立博物館で行われた「鑑真和上と戒律のあゆみ」とその年の唐招提寺の新宝蔵で見て以来。坐像は鑑真和上の命日である6月6日とその前後の計3日間に特別に公開される。見ることができない国宝ではないものの、期間が短く…

薬師三尊像 勝常寺

ゴールデンウィーク明けに悠久の絆奈良・東北のみほとけ展を見に仙台の東北歴史博物館へ行った。 唐招提寺や西大寺など奈良のみほとけたちは現地で見ていたので「奈良」部分はそれほど重要ではなかった。なので「東北」のみほとけを見るためにスケジュールを…

智証大師坐像(中尊大師)

大師の忌日に当たる10月29日に行われる智証大師御祥忌法要に行ってみた。2年前のコロナ禍で初めていったが、声明が寺内に響き渡る厳かな感じが印象に残っていた。 今回は参加者も多く。檀家さんが周りを囲んで、お経が読まれる。10時から開始される法…

薬師如来立像 元興寺

奈良国立博物館で開催中の中将姫と當麻曼荼羅を見に行った。展示規模は新西館のみで、4年前に開催された国宝の當麻曼荼羅修復記念・糸のみほとけ展に比べると縮小していた。 この規模縮小で空いた新東館では、はっけん!ほとけさまのかたちと題した企画展が…

八幡三神坐像 薬師寺

さて、大安寺展も残り1室。寺宝の数々がお目見えしていたが、この部屋には神社のお宝が出品されていた。なんでも空海が大安寺の別当に補されていた頃に神仏習合が進んだそう。その風潮を取り入れ、大安寺は859年に八幡神を勧請し、八幡宮(現・元石清水八幡…

義淵僧正坐像 岡寺

747年の記録、大安寺資財帳によれば、大安寺には887名の僧が居住していたそうだ。大寺院であっただけでなく、多くの名僧たちが大安寺と関りを持っていた。先に出た空海はもちろん、鑑真を日本へ招請するため唐に派遣された普照と栄叡、空海や最澄と交流のあ…

十一面観音菩薩立像 室生寺

寶物殿は室生寺の寺宝たちの劣化を防ぐため、保管と保存、そして公開を両立させるために建てられた。なので、一般的な展示用のショーケースでは見せることがない、バックヤードが展示されている仏の後ろに見える。保管と保存を主とすると、展示場所への移動…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。