国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

建物

本堂 當麻寺

お練り供養の準備ができた境内では、二十五菩薩が来迎する橋が組まれ、本堂まで続いていた。この上を仮面を被って菩薩に扮した人々が練り歩いていく。 終着点である本堂は本尊である5メートル近くある須弥壇を覆うためけっこう大きい。昭和の解体修理で永暦…

仏殿 清白寺

甲信地域、国宝巡りもオーラス。これまでで一番駅から近い国宝である清白寺の仏殿に行く。東山梨駅から南へ歩いて数分。田畑が広がるなかに寺院はある。 清白寺は足利尊氏が夢窓疎石を開山とし、1333年に創立したと伝えられる。仏殿は1415年に造られた禅…

本堂 大善寺

山梨に移動して、大善寺へ行く。直通バスの本数が少なく、朝一に塩山駅から出るバスへ乗る。白々と雪を被る富士山らしき山影を見つつ、バスで30分。大善寺前へ到着した。 桜の名所としても知られているが、今年は早く咲いたため葉桜になりつつあった。本堂…

八角三重塔 安楽寺

上田駅から上田鉄道別所線で終着駅の別所温泉駅へ。そこから歩いて十数分で、安楽寺に着く。国宝を観るには拝観料を払った先の小高い場所にあり、それ以外は開放していて、ゆっくりと見学できる。塔は入場すると右手すぐに見える。四重塔に見えるが最下層は…

三重塔 大法寺

上田駅からバスで青木行きへ乗って25分。当郷バス停で下車して、緩やかな山道を歩くこと15分で大法寺に着く。歩いて行く場合は、手前の車が通る道より、奥の道で登る方がよい。境内に青木村郷土美術館があったが、お目当ての国宝へ一目散に参る。 まずは…

本殿・中門 仁科神明宮

松本駅からJR大糸線で50分強。無人駅の安曇沓掛駅で下車する。そこから東へてくてくと歩く。道中は川があり、そこから見える山々の頂上はまだ白い。ほぼまっすぐの道を田畑を見ながら30分程度行くと、山腹に仁科神明宮がある。 神社は山の中にあり、そ…

旧開智学校校舎

旧開智学校校舎は松本城から北へ歩いて5分ほどの場所にある。令和初の国宝指定にして、近代学校建築としては初めての国宝である。また、製作年が明治期と国宝としてはかなり新しい。竣工が明治9年で昭和38年まで90年間学校として現役で使っていた。そ…

大天守 松本城

松本城は桜が満開だった。北側の桜並木はピンク色に染まり、撮影会の会場と化していてた。東側から撮った松本城の写真の右上奥には、残雪の山頂が少し映る。信州の冬と春が交わる光景は、この時期のみ。 江戸時代から残る天守12城の中で、堀から高さが一番…

本堂 善光寺

善光寺は7年ごとに御前立本尊が御開帳される(本尊は絶対秘仏で開帳されない)。昨年がその公開年であったが、コロナで1年延期され、2022年の公開となった。その公開期間はコロナ禍での密を避けるため、4月3日〜6月29日と従来よりも長めに設定。その…

浄土堂 浄土寺

浄土寺の国宝は阿弥陀三尊像を安置している浄土堂も指定を受けている。阿弥陀三尊像が巨大なため動かすことは不可能に近いので堂自体を付けたしで国宝にしてもよさそうだが、別々で指定を受けている。 お堂は阿弥陀仏の光背まで計算して建てられているので、…

清水寺 本堂

国宝建築物で集客力ランキングトップ2は東大寺大仏殿と清水寺本堂だろう。なにせ建物の大きさはトップクラスで、古都を代表するにふさわしい風格がある。さらに、修学旅行の定番となっていることから、集めずして集まる仕組みになっている。むしろ、ここ数…

興福寺 五重塔

薬師寺東塔の改修工事が終わったのがついこの前だったが、今度は興福寺五重塔が改修工事に入る。その前に秋と来春に内部公開を実施するので見に行くことにした。 五重塔自体は外側から何度となく見ていたが、内部に入るのは初めて。心柱を中心に四方に三尊形…

金剛輪寺 本堂

山腹に建てられたお寺。入り口から軽い山登りをしないと本堂にはたどり着かない。山城的な要素があるため、山門と本堂の距離があまりないため、写真のようなアングルになってしまった。 本堂までの道中、道の端々に地蔵が建てられていた。風車を持った地蔵は…

西明寺 三重塔

西明寺のある場所は琵琶湖の北東。琵琶湖を中心とすると比叡山と対角線上にある。すぐそばには鈴鹿山脈があり、近江と濃尾地域と接する境目にあたる。地政学的に見るととても重要な位置となる。北陸や美濃・尾張から京へ進行する時には一番最初の入り口とな…

西明寺 本堂

天台宗は最澄の遠忌1200年記念で盛り上がるなか、昨年の湖南三山の制覇に続いて、今年は湖東三山制覇を実施した。 そもそも湖東の天台宗派の寺院を集めて湖東五山として古くから信仰を集めていた。廃寺などで三山となり、人気にあやかった形で湖南三山が16…

本堂 十輪院

東大寺や興福寺からは少し離れた場所のある奈良町。古民家が残っていたり、寺院があったり、古風な街並みにおしゃれなカフェが点在している人気スポットである。この付近には国宝を3つ抱えている元興寺があり、広い境内を有している。その別院だった十輪院は…

楼門 般若寺

東大寺転害門から北へ15分ほど、コスモスで有名な般若寺へたどり着く。市街地からは少し離れているので、ベットタウンなのかと思いきや、倉庫兼工場や商店が多い。その訳は、区画を隔てたところに奈良少年刑務所があったからだ。明治の五大監獄の一つ奈良…

転害門 東大寺

10月5日、東大寺内にある手向山八幡宮と転害門で転害会という古式ゆかしい神事が行われる。 お寺で神事というのも摩訶不思議なのだが、明治政府の意向で神仏が明確に分かれて配されたが、それまで神仏の垣根なく立地するのは普通だった。いまもお寺に小さ…

三重塔 明通寺

明通寺は国道27号を東小浜駅と新平野駅の間ぐらいで山道に入った山中にある。無料の駐車場を完備しているありがたいお寺で、駐車場から川を渡って見上げると山門が見える。渓谷の起伏をうまく利用していて、高台に山門、受付から緩やかな登りの先に本堂、…

本堂 明通寺

福井県小浜市は港町で律令時代が成立する以前から、日本海側の玄関口として栄えてきた。小浜から琵琶湖まで抜ける南北の街道は鯖街道と呼ばれ、海のない京都や奈良へ海産物を運ぶ重要な物流を担ってきた。海産物を都まで送った御食国のひとつとして、小浜を…

開山堂 永保寺

山中の木々を開いて池を作って庭園に仕上げた永保寺の観音堂に対して、開山堂は同じ場所にあるとは思えない静かに建っていた。 池泉式庭園を池に沿って半周した先に1本の道がある。開けた伽藍内にあって、木々が鬱蒼と茂っている奥に建物が見える。観音堂が…

観音堂 永保寺

歴代最高気温ランキングトップテンに入る岐阜県多治見市。2000年代に入り、最高気温ランキングは目まぐるしく変わり、浜松が現在ランキングは一位。それまで一位だった熊谷では日本一暑い町として売り出すに至っている。 多治見市も暑い町として売り出してい…

講堂 唐招提寺

天平時代の建物として境内に残る唯一の建物が講堂である。平城宮の「東朝集殿」を移築・改築した。金堂の真後ろにあるため、入り口からは全く見えない。後ろに回ると横長の建物が現れる。開放感ある建物で、講和するにはとてもよい。 本尊は弥勒如来坐像で、…

金堂 唐招提寺

京博での開催されていた特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」が閉幕してから3週間がたった。6月5日~7日は毎年、唐招提寺で開山忌として鑑真和上の遺徳を偲ぶ催し物が行われる。 鑑真和上は6月6日に亡くなった。多くの苦難の末、来日して日本仏教の礎を築…

根本中堂 延暦寺

延暦寺の中心的な建物である根本中堂は長期の改修工事期間に入っている。内部の拝観はいつも通りで、奥の仏像と視線が合う作りはそのままだが、全体を支えて補助する骨組みが入っているのでいつもと違う雰囲気となっている。 根本中堂自体は全体を工事用の足…

金堂 観心寺

観心寺には国宝が3点ある。観心寺縁起資材帳は残念ながらほとんど公開していない。如意輪観音坐像は特別公開の2日間。そして、金堂はもちろんいつでも見ることができる。ただ、せっかく金堂を見るのならば特別公開の日がおすすめである。 室町時代に再興され…

唐門 三宝院

門跡寺院の三宝院が勅使を迎えるために作った出入口。普段は全く使わない門ではある。にもかかわらず、勅使に対して最高のもてなしを演出するためだけに贅の限りを尽くした。黒漆と菊と桐の紋を金箔で加工して、世の中で一番くっきりとしたコントラストをつ…

五重塔 醍醐寺

醍醐寺の象徴と言えば五重塔。その優美さは五重塔の中でも屈指である。 その理由はまず、五重塔が主役である。境内の敷地内にあるため、塔は他の建物と同列あるいは付属物として建てられている。四天王寺や薬師寺、法隆寺などの塔は伽藍配置の一部となってい…

金堂 醍醐寺

桜の名所は数あれど、歴史に名を遺す名所は醍醐寺がもっとも有名だろう。なぜなら、豊臣秀吉が朝鮮戦争を仕掛けた最晩年のイベントとして、醍醐寺において大花見大会を開いたためだ。九州平定後に開いた北野の大茶会に匹敵する催し物として知られている。 国…

本殿 石清水八幡宮

春です。桜の季節です。 今年の桜の開花は例年に比べてかなり早く、近畿圏では4月に入ると散り始めている。 石清水八幡宮のある男山付近には背割堤が近畿の桜の名所として紹介されることが多い。桂川、宇治川、木津川の合流地点で、堤に植えられた桜が川に…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。