国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

平成

木造弘法大師坐像 康勝作 東寺

縁日は人々とご本尊との縁を結ぶ大切な日である。大きな寺院では縁日に市をたてて、お参りに来た参拝者たちの目を楽しませている。東寺の縁日は21日で、多くの露店が並ぶはずだが、コロナの影響で中止。露店がないので、少し寂しいかと思いきや、縁を求める…

伊能忠敬関係資料のうち琵琶湖図 香取市伊能忠敬記念館

2020年は京都市美術館が京都市京セラ美術館へと生まれ変わる記念の展示会が目白押し。京都市が京セラからネーミングライツで得た資金をもとにリフォームされた美術館にふさわしい特別展が開催される。 再生された美術館で行われる展示会としては最高のライン…

【平成指定】木造叡尊坐像 善春作 西大寺

近代的な都市を計画すると統制のとれた碁盤目状に整備することが多い。その方が効率的に都市計画が実行できるためだ。京都はその代表例である。 碁盤目状の配置は左右対称となるので、寺院を配置する時は東西対で作る。京都の東寺は現在も広い伽藍が残ってい…

【平成指定】正倉院

国宝の指定はほぼすべて重要文化財の中から選択される。重要文化財は国の大切な財産で、数多く指定を受けているので、その中から選ぶのが最も効率的であるためである。しかし、重要文化財でないにも関わらず国宝指定を受けたものがある。正確に言えば、重要…

【平成指定】旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)

もっとも最近に造られた国宝はなにか。それは迎賓館赤坂離宮である。明治42年にのちの大正天皇が皇太子の頃に建てられた住まいで、それを外国の要人を迎えるための迎賓館にしたものである。 すべてが洋風で、細部にわたってこだわり抜いて作られた建物であ…

【平成指定】慶長遣欧使節関係資料

国宝指定で海外産のものはそう珍しくない。ただ、ほとんどが大陸文化、つまり漢字文化圏の美術品だ。輸入相手が大陸であったことに由来し、必然的な面がある。 だが、国宝の世界でも国際化が進んだのが平成だ。伊達家がヨーロッパに派遣した支倉常長たちご一…

【平成指定】婚礼調度類(徳川光友夫人千代姫所用)

嫁入り道具が国宝になる。いまや死語となりつつある嫁入り道具。形式的なものは残っているものの、昔のような”嫁に送る”ため、家具などの一揃えを買って持っていくことはなくなった。少し大きな都市に行けば格安家具屋は道路沿いにあり、食器類も100円均…

【平成指定】旧富岡製糸場

平成になって国宝指定が毎年のようになされてきた一つの要因は世界遺産指定にあると思う。旧富岡製糸場は05年に国の史跡、06年に重要文化財の指定を受け、14年に国宝となった。その前年に日本産業革命の原点として世界遺産の認定を受けている。 世界遺産とな…

【平成指定】島根県加茂岩倉遺跡出土銅鐸

すでに知られた文化財が国宝へと昇格するのはなんらかの理由が必要だ。しかし、これまで知られていなかった文化財ならその価値だけで国宝へと上り詰めることができる。加茂岩倉遺跡出土銅鐸は96年の掘削工事中に発見された。銅鐸39口と日本最多であることと…

【平成指定】青井阿蘇神社

この夏に訪れた青井阿蘇神社は熊本県初の国宝。その時にも書いたが、国宝指定に対しての喜びようが半端ない。ちょうど10周年だったこともあり、神社には周年記念の垂れ幕が上がる。ほかの国宝も見習ってほしいぐらいの歓迎ぶりだ。 さて、平成になり神社とし…

【平成指定】瑞龍寺

97年に国宝指定を受けた瑞龍寺は富山県初の国宝である。高岡駅からほど近く、北陸新幹線の新高岡駅からも歩いて行ける距離にある。 荒野だった「関野」という地を、加賀藩2代目藩主の前田利長が整備して出来た高岡。利長の死後、家臣団はすぐ金沢へと引き上…

【平成指定】 土偶 北海道函館市著保内野遺跡出土

平成の国宝指定において気を使って指定していることに、県別国宝指定空白地を無くすことがありそうだ。おそらく公式には平等に検討した結果ということになるのだろうが、各県1個以上の国宝は持っておきたいと思うのが人情である。 現在は徳島と宮崎に国宝が…

【平成指定】土偶 茅野市尖石縄文考古館

平成の国宝指定でそれまで指定されていない分野が積極的に昇格指定いる。それは土偶などの考古分野である。 昭和の国宝指定は聖徳太子以前のものに関しては、積極的に国宝へと昇格させることはなく、中世以降のいわゆる「文字」文化が確立し、年代が間違いな…

【平成指定】 木造薬師如来坐像 仁和寺

年末年始、「平成最後」というフレーズをよく聞いた。 そこで、平成に指定された国宝が気になったので、ピックアップしていく。 平成最初の国宝指定は仁和寺の木造薬師如来坐像だった。85年以来5年ぶりの国宝指定。仁和寺の秘仏として大切に守られてきたも…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。