国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

国宝

【雪舟伝説】山水図 雪舟

この作品の見どころは賛の部分だ。賛とは描かれた絵に関して詩歌や文章を画面の中に記すことである。山水図では牧松周省と了庵桂悟が賛を書いているが、了庵桂悟の賛に雪舟逝と記されている。この賛を書いたのが1507年で、画賛は没後に間を置かずに書くこと…

【雪舟伝説】秋冬山水図 雪舟 東博

4月13日~5月26日の期間、京都国立博物館で「雪舟伝説」と題した展示会が開催される。雪舟作品で国宝指定を受けている6点すべてが公開されると発表され、展示リストの一部も公開され、今から楽しみな展示会である。東博のやまと絵展が煌びやかで華や…

四天王寺縁起 四天王寺

四天王寺の中心伽藍は入場にお金がかかる(ただし、縁日である21日、22日は無料で入れる)。そのため、参拝者の多くが参るのは六時堂である。その六時堂が写真のように改修工事に入った。戦後に復興されたお堂でかなりボロボロであったのは参拝した誰しもが…

懸守 松喰鶴文 四天王寺

懸守は平安時代の高貴な身分の女性が懐に忍ばせていたお守り。手のひらサイズの俵型の小物で、中には念持仏が入っている。表装には凝った装飾が施されている。1月17日までは松と鶴がデザインされた松喰鶴文、その後は桜透丸文が展示される。 NHK大河は紫…

扇面法華経冊子 四天王寺

新春恒例の四天王寺の宝物館公開は聖徳太子生誕1450年を記念していた企画であった。国宝では扇面法華経冊子が例年の公開であり、才子訪佳人図が出ていた。光るの君へが今年度の大河ドラマとなっているので、平安貴族が描かれた図柄を展示したのだろう。 …

唐門 豊国神社

京博はたびたび訪れているが、久しぶりに豊国神社を参拝した。京博とは地続きの神社で、京博の西門から出るとすぐであるが今は閉鎖中なので回り道をして行った。 豊臣秀吉の派手好きを体現するような唐門で、豪華な装飾が散りばめられている。正月らしさと言…

金銀鍍宝相華文経箱 延暦寺

2024年の大河ドラマは紫式部を主人公にした平安貴族の物語。国宝を知る前まではなんとなく雅やかな異世界の話と思い込んでいた。しかし、平安時代の延長線上に今がある。それを伝える文化財は山ほどある。知識として歴史の教科書で習った平安時代に造ら…

本殿 八坂神社

2024年はコロナ禍が落ち着いた久々の元旦となった。しかし、能登半島沖での巨大地震が起き、自然の恐ろしさを改めて思い知らされた。 ハレの日を感じるべく出向いたのは八坂神社。境内には沿道に所狭しと屋台が並ぶ。から揚げなどを揚げて酸化した油のに…

一字蓮台法華経 龍興寺

2023-24にまたがる奈良博の名品展は西新館のみの展示となっている。そして、新たに修理された文化財の展示が年末年始の短期間のみとなっていた。せっかく修理されたのだから、もう少し長めの展示があってもよさそうだが、借り物がほとんどのため難しいのだろ…

経蔵(写真手前)・宝蔵(写真奥) 唐招提寺

校倉造り。中学校の時に習った建物様式で、木材を組み合わせて湿気の調節ができる仕組みに仕上げ、お宝保存に最適な建物と習った。高床式にすることで、ネズミなどの侵入を防ぐ。正倉院が代表例であるが、唐招提寺にもある。 金堂や講堂に目がいく中で、国宝…

金堂 唐招提寺

ユネスコ世界遺産「古都奈良の文化財」登録25周年を記念して発売されている6寺社共通拝観券で、これまで春日大社、興福寺、東大寺、元興寺、薬師寺と行った。残るは唐招提寺だけだった。 薬師寺には修学旅行生が来て賑やかな雰囲気があったが、唐招提寺は…

2023年を振り返って

2023年も多くの国宝を観た。今年は親鸞聖人生誕850年であったころから、浄土真宗系の一大生誕展示会が行われた。京博では各派の寺宝をこれでもかと展示。なかでも、教行信証の坂東本、高田本、西本願寺本が並ぶ展示は何度でも見比べたくなる贅沢な空間で…

東院堂 薬師寺

東院堂は薬師寺の伽藍で見ると、回廊を挟んで東塔とは真向かいに位置し、回廊の外側に立地している。そのため、かなり目立ちにく場所にあり、導線的にも東院堂を目指して行かないと見逃してしまう。 国宝の東院堂は養老年間(717~724)に吉備内親王が元明天…

東塔 薬師寺

薬師寺と言えば修学旅行生のイメージが強い。コロナ前は広い伽藍内に整列して歩く学生の姿をよく見かけた。コロナでどうなるかと思っていたが、悪ふざけをする学生姿が戻ってきていた。 戻ってきたのは学生だけではない。東塔の落慶式を終え、特別公開を見に…

極楽坊禅室 元興寺

元興寺の本堂の裏に続く形で禅室が建っている。公開されておらず、本堂に比べてひっそりしている。もとは僧坊でここで僧侶たちが寝起きしていた。若き日の空海が大志を抱いて奈良で勉学に励んでいた場所とされ、首都が平安京へ遷った後、紆余曲折の末に真言…

五重小塔 元興寺

元興寺の寺宝は本堂を正面に左手にある法輪館で展示している。行った日は秋の特別公開をしていて重要文化財の智光曼荼羅図を2階で見ることが出来た。年代物だけあってかなり色あせて見難い部分が多かったが、全体はしっかりと残っていた。曼荼羅図はごちゃ…

本堂 元興寺極楽坊

古都奈良の文化財がユネスコ世界遺産に登録されて25周年を記念して販売されている六社寺共通拝観券。それを使って元興寺へ行く。 元興寺は観光の集積地である興福寺や東大寺、春日大社からは少し離れた奈良町にある。国宝である極楽坊本堂は低層の建物で、…

阿弥陀三尊及び童子画像 法華寺

法華寺の境内にある慈光殿は寺宝を保管する建物がある。確かコロナ禍の時期にリニューアルをしていた記憶があり、特別公開していたので久しぶりに拝観した。 慈光殿には一般で言う宝物館があり、法華寺の寺宝を保管する建物がある。コンクリート造りでしっか…

維摩居士坐像 法華寺

法華寺は国宝を3点所蔵している。特別公開時は3点すべて見ることが出来るが、普段は十一面観世音菩薩立像と阿弥陀如来三尊及び童子画像は公開していない。唯一、常時見ることができるのが維摩居士坐像である。 維摩居士坐像は本堂の左手にある入り口にある…

十一面観音菩薩立像 法華寺

海龍王寺からすぐ近くにある法華寺門跡でも秋の特別公開が行われたいた。本堂の十一面観音菩薩立像は少し変わった特徴がある。仏さまの像の背後には後光が差すような演出の光背が据え付けられることがある。法華寺の本尊は蓮のつぼみや葉を後光のように配し…

五重小塔 海龍王寺

秋の特別公開があった海龍王寺へ行った。近鉄新大宮から徒歩で10数分の場所にある。国宝の五重小塔はいつも通り別棟(写真)にポツンと置かれていた。かなり殺風景で薄暗い室内に小塔のみが置かれている。室内へは立ち入れないので背面部分は見ることができ…

五重塔 醍醐寺

醍醐寺の五重塔は毎月29日に写経することで内部を見ることができる。この日に合わせて行けば簡単に国宝の五重塔の内部を見ることが可能なのだ。今回、弘法大師生誕1250年を祝って10月と11月の数日のみ特別に内部公開を実施していたので、11月の回に…

明恵上人歌集 京都国立博物館

明恵上人生誕850年の節目に、生誕の地である和歌山県立博物館で特別展示を開催していた。明恵上人と言えば、後鳥羽上皇から下賜された栂尾に高山寺を開山したことで有名である。都心から離れた山奥で明恵が説いたのが、華厳の教えと密教との統一・融合する厳…

秋野牧牛図 伝閻次平 泉屋博古館

泉屋博古館はこの秋開催の表装の愉しみ -ある表具師のものがたりをもって、リニューアル工事に入る。2025年の春までしばしのお別れである。東京分館がおしゃれな作りになったのに触発されて、京都の本館もおしゃれに生まれ変わるのか楽しみである。 しばら…

浄名玄論 京都国立博物館

親鸞生誕850年の記念展が春先にたくさんあった。その最後を飾るのが大谷大学博物館の古典籍の魅力である。 大谷大学博物館は開館20周年を迎える。と同時に立教開宗800年も兼ねている。記念展示会では同館が保有する重要文化財10件を前後半に分けて展示すると…

廬舎那仏坐像 東大寺

奈良と言えば大仏。奈良通いが過ぎると小仏ばかり見に行ってしまうので、久方ぶりに再会した。年末のすす払いは必ずニュースになるので、身近に感じているが見ると感嘆する。外国人観光客でなくてもアメイジングと言いたくなる大きさだ。正面は写真撮影でご…

金銅八角燈籠 東大寺

大仏殿の正面に置かれている八角燈籠は、国宝であるにも関わらずあまり注目されない。高さが約4.6メートルと結構な大きさであり、大仏殿を正面に見ると必ず視線に入るにも関わらずである。それだけ、大仏殿の大きさが特異なのだろう。 八角燈籠の見どころは…

大仏殿 東大寺

ユネスコ世界遺産登録25周年記念の六社共通券で春日大社と興福寺は行った。残りをこの日に取っておいた。 法華堂から降りてきて大仏殿へ入る。久々の大仏殿だが、外国人旅行者がほとんどだった。写真で見る通り、圧倒的な大きさ。外国人受けする観光施設と…

良弁僧正坐像 東大寺

正倉院展が奈良国立博物館で開催された期間、法華堂で東大寺開山良弁僧正1250年御遠忌を記念して良弁僧正坐像が公開されていた。 良弁は東大寺の開山に尽力した人物で、巨大な寺院伽藍を建築するために資材を集めた場所にある石山寺の開山にも関わっている。…

唐門 西本願寺

京都モダン建築祭で龍谷大学大宮学舎が公開されていた。明治初期に建てられた講堂などが重要文化財の指定を受けている。龍谷大学のイメージは京阪電車の深草駅前(数年前に駅名が龍谷大前深草駅になった)で、校舎などに仏教的なイメージなかった。こちらの…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。