国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

梵鐘 延暦寺西寳幢院鐘

国宝の梵鐘はほとんどが寺社の所有である。現役のものもあれば、二代目に現役を譲り引退、陳列展示されているもの、特別に建屋が作られ保管されているものなど、様々な扱いがなされている。 国宝梵鐘にあって、異彩を放つのが佐川美術館か所有する梵鐘である…

【平成指定】木造千手観音立像 三十三間堂

彫刻仏像分野で千体も一度に指定した珍しい国宝。平成に入り、調査、修理が行われた。そこで多くの発見があったことが指定に繋がった。 しかし、それを待つまでもなく、同時にあれだけの仏像を作り、現代まで残っている時点で国宝でもよかったかもしれない。…

周茂叔愛蓮図 狩野正信筆

九博は新しく出来た博物館のため、国宝の所有数がほかの国立博物館に比べて少ない。所有しているのは3つ。太刀 銘来国光が東博、栄花物語が文化庁からそれぞれ所有を移管。そして、目玉となる作品として個人蔵だった周茂叔愛蓮図 狩野正信筆を購入した。 狩…

銅板法華経(33枚)・銅筥(1口) (所有者:国玉神社、管理団体:福岡県、求菩提資料館保管 1142年)

求菩提資料館に複製品が常設展されている銅板法華経と銅筥の本物が、九博の企画展で展示されている。 九博は時代別に展示が行われている。なので入口すぐに古代の展示があり、そこには国宝の宗像と宮地嶽一括出土品が展示されいて、見ごたえがある。そこを抜…

【醍醐寺展】 後宇多天皇宸翰当流紹隆教誡

九博の開催中の醍醐寺展の後半に行く。 後宇多天皇の宸翰(直筆の書)は東寺や大覚寺、神護寺所有のものが国宝となっている。後宇多天皇は2歳で皇太子、8歳で天皇となり、21歳で譲位した。若くして天皇になるが、その頃の政治は院政と藤原家の摂関政治の板挟…

片輪車蒔絵螺鈿手箱

所蔵品の多い東博では企画展(入場料だけで観ることができる展示)に見たい国宝が良く出てくる。ホームページに年間スケジュールが掲載されるので、観たいものがあれば日程を合せて訪問することができるのでありがたい。 その観たい国宝のひとつであった片輪…

【平成指定】木造叡尊坐像 善春作 西大寺

近代的な都市を計画すると統制のとれた碁盤目状に整備することが多い。その方が効率的に都市計画が実行できるためだ。京都はその代表例である。 碁盤目状の配置は左右対称となるので、寺院を配置する時は東西対で作る。京都の東寺は現在も広い伽藍が残ってい…

【東博】絹本著色山越阿弥陀図 禅林寺

東博では国宝室と題した1室で月変ごとに国宝の展示を行っている。 所有・寄託を合わせると膨大な数の国宝を所有している東博ならではの試み。希にしか展示しないものもあり、必ずチェックしたい場所だ。 今回は禅林寺の山越阿弥陀図が展示されていた。進撃…

普済寺 六面石幢

東京の多摩地区は中心部の大開発のあおりを受けて、住み場所として人が流入している。そのため駅前の開発は進み、新興住宅街として発展してきた。 普済寺のある立川も駅前はビル群が建ち並ぶ大都会で一通りのものはすべて買い揃えられる。しかし、寺のある最…

【平成指定】深大寺 銅像釈迦如来像

国宝の保有分布では東京都が多い。続くは京都、奈良になるがともに都が長くあった土地で、それゆえに多いのだろう。東京にある国宝の多くは東博や文化庁などの官公庁保有物が含まれることや、首都となった明治以降に地方の有力者が移り住んで持ち込まれたも…

【MAO美術館】手鑑

MAO美術館の太っ腹なところは基本的に撮影自由(借り物の美術品など一部は撮影NGあり)。 なので、国宝3点もルールさえ守れば取り放題。屏風や壺、彫刻といった単体ものは、じっくり見ることで特徴が記憶になんとか残るだが書跡は文字が太か細いか、楷書か草…

【MAO】紅白梅図屏風 尾形光琳

MAO美術館の国宝3点一挙公開の目玉は紅白梅図屏風である。左に白梅、右に紅梅を配して、屏風の中央に川が流れる表現を金をうまく使って表現している。川の流れは雄大にも関わらず、梅の枝葉が鋭利に躍動しているので早さを感じる。梅が咲き、春になる速さ…

【顔真卿】説文木部残巻 

王羲之を越えたと喧伝している顔真卿展。中華圏の国宝中の国宝である祭姪文稿が来日しているとあって、注目度では王羲之展を越えたかもしれない。とくに祭姪文稿を見るための行列は直筆の王羲之の書(存在が確認されていないそうだ)が見つからなければ超え…

【MAO美術館】色絵藤花文茶壺 野々村仁清

熱海にあるMAO美術館は3年前にリニューアルして以来、冬の時期に所有する国宝3点を一度に見せる展示会を開催している。 熱海駅からバスで数分。山道を登った海が望める見晴らしの良い場所に美術館はある。バス停入口からはエスカレーターを乗り継ぐ必要…

【平成指定】正倉院

国宝の指定はほぼすべて重要文化財の中から選択される。重要文化財は国の大切な財産で、数多く指定を受けているので、その中から選ぶのが最も効率的であるためである。しかし、重要文化財でないにも関わらず国宝指定を受けたものがある。正確に言えば、重要…

【平成指定】旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)

もっとも最近に造られた国宝はなにか。それは迎賓館赤坂離宮である。明治42年にのちの大正天皇が皇太子の頃に建てられた住まいで、それを外国の要人を迎えるための迎賓館にしたものである。 すべてが洋風で、細部にわたってこだわり抜いて作られた建物であ…

【平成指定】慶長遣欧使節関係資料

国宝指定で海外産のものはそう珍しくない。ただ、ほとんどが大陸文化、つまり漢字文化圏の美術品だ。輸入相手が大陸であったことに由来し、必然的な面がある。 だが、国宝の世界でも国際化が進んだのが平成だ。伊達家がヨーロッパに派遣した支倉常長たちご一…

【平成指定】婚礼調度類(徳川光友夫人千代姫所用)

嫁入り道具が国宝になる。いまや死語となりつつある嫁入り道具。形式的なものは残っているものの、昔のような”嫁に送る”ため、家具などの一揃えを買って持っていくことはなくなった。少し大きな都市に行けば格安家具屋は道路沿いにあり、食器類も100円均…

【醍醐寺展】絵因果経

昨年、東京のサントリー美術館で開催された「醍醐寺展」が九州博物館で巡回展として開催されている。 真言宗系の展示会は仁和寺展、大報恩寺展があり、今春には東寺展があるなど積極的に開催している。真言宗が歴史的に天皇家に近いことから貴重な文化財が多…

【平成指定】旧富岡製糸場

平成になって国宝指定が毎年のようになされてきた一つの要因は世界遺産指定にあると思う。旧富岡製糸場は05年に国の史跡、06年に重要文化財の指定を受け、14年に国宝となった。その前年に日本産業革命の原点として世界遺産の認定を受けている。 世界遺産とな…

【平成指定】島根県加茂岩倉遺跡出土銅鐸

すでに知られた文化財が国宝へと昇格するのはなんらかの理由が必要だ。しかし、これまで知られていなかった文化財ならその価値だけで国宝へと上り詰めることができる。加茂岩倉遺跡出土銅鐸は96年の掘削工事中に発見された。銅鐸39口と日本最多であることと…

【平成指定】青井阿蘇神社

この夏に訪れた青井阿蘇神社は熊本県初の国宝。その時にも書いたが、国宝指定に対しての喜びようが半端ない。ちょうど10周年だったこともあり、神社には周年記念の垂れ幕が上がる。ほかの国宝も見習ってほしいぐらいの歓迎ぶりだ。 さて、平成になり神社とし…

【平成指定】瑞龍寺

97年に国宝指定を受けた瑞龍寺は富山県初の国宝である。高岡駅からほど近く、北陸新幹線の新高岡駅からも歩いて行ける距離にある。 荒野だった「関野」という地を、加賀藩2代目藩主の前田利長が整備して出来た高岡。利長の死後、家臣団はすぐ金沢へと引き上…

【平成指定】琉球国王尚家関係資料

平成最後の国宝指定は玉陵である。つい最近ニュースにもなったので記憶新しい。しかし、沖縄初の国宝は琉球国王尚家関係資料である。 沖縄は太平洋戦争の激戦地で島全体が焼け野原になった。なので多くの文化財が失われた。ところが、国王家の末裔である尚家…

【平成指定】 土偶 北海道函館市著保内野遺跡出土

平成の国宝指定において気を使って指定していることに、県別国宝指定空白地を無くすことがありそうだ。おそらく公式には平等に検討した結果ということになるのだろうが、各県1個以上の国宝は持っておきたいと思うのが人情である。 現在は徳島と宮崎に国宝が…

【平成指定】土偶 茅野市尖石縄文考古館

平成の国宝指定でそれまで指定されていない分野が積極的に昇格指定いる。それは土偶などの考古分野である。 昭和の国宝指定は聖徳太子以前のものに関しては、積極的に国宝へと昇格させることはなく、中世以降のいわゆる「文字」文化が確立し、年代が間違いな…

【平成指定】 木造薬師如来坐像 仁和寺

年末年始、「平成最後」というフレーズをよく聞いた。 そこで、平成に指定された国宝が気になったので、ピックアップしていく。 平成最初の国宝指定は仁和寺の木造薬師如来坐像だった。85年以来5年ぶりの国宝指定。仁和寺の秘仏として大切に守られてきたも…

浄土寺 多宝塔

尾道は映画監督の大林宣彦や放浪記の林芙美子など文学的な町として、ファンたちの巡礼地となっている。山と海が接近しているというより、谷に海水が流れていると言った方が分かりやすい。 そんな景勝地としての魅力も商業地として発展なくしては誕生しなかっ…

梵鐘 西光寺

博多駅からバスで小一時間。田んぼがちらほらとある相良区にある西光寺には国内で5番目に古い梵鐘がある。山陰を転々として、明治期に金物商が購入、縁あって今に落ち着いている。 国宝の鐘の扱いは様々。東大寺のように現役のものものあれば、妙心寺では2…

金印 福岡市立博物館

国宝展で一番人気だった金印。福岡市立博物館に常設で展示しているというので見に行く。 博物館の常設展入り口の一番最初に金印の間がある。そのためだけの部屋で、全角度から見ることができるように工夫されている。本体が小さいので、特別展などではどうし…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。