国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

宇佐八幡宮 孔雀文馨

大分が日本の歴史上最初に注目されたのは769年の宇佐八幡宮神託事件だろう。 奈良時代、孝謙上皇は対立していた藤原仲麻呂を失墜させると、重祚により称徳天皇となった。その片腕が道鏡で、僧籍のまま太政大臣や法王の地位をあたえるぐらい寵愛した。そし…

臼杵磨崖仏

大分県の国東半島では密教の修行の場として多くの寺院が建っている。その中でも珍しいのが臼杵にある石仏群である。崖を磨いて作ったことから磨崖仏というそうだが、磨くというより削ったように見える。 臼杵磨崖仏が国宝に指定されたのは1995年で、磨崖…

六道絵 聖衆来迎寺

昨年のこの時期に奈良博で見た六道絵をもう一度観たいと思い滋賀へ行く。 国宝の六道絵の所有者は滋賀の聖衆来迎寺である。御多分に漏れず、普段は貴重な文化財ということで博物館に寄託している。その寄託先は全国に散らばっており、滅多に揃うことはない。…

【糸のみほとけ】 綴織當麻曼荼羅

奈良博は仏教関連の展示会でマイナーだが観ると素晴らしい企画をする。昨年の源信展では各宗派の宗主(スーパースター)が参考(あこがれた)にした浄土の世界について展示し、一部では大反響だった。 そして、今回は刺繍による仏教美術。見仏記による彫刻仏…

巧山寺

今年は明治維新150年。薩摩を訪れたのならば、長州にもいかねばなるまい。そして、長州の国宝のひとつである功山寺の本堂を見逃すわけにもいかない。 功山寺は七卿が落ち延びた場所であり、高杉晋作ゆかりの地である。明治維新の夜明け前を演出した最高の…

石手寺 二王門

国宝で一番荒っぽく扱われている建物はどれか。 それは間違いなく石手寺の二王門である。門の見えにくいところにいろいろ小物をしまい込んでいたり、パンフレット類が無造作に置かれていたり、一見すると本当に国宝なのかと疑ってしまう扱いだ。 そうなるの…

青井阿蘇神社

国宝建築の中で指定されて一番喜ばれたものはどれか。 ほとんどのものがなるべくして指定された国宝建築物が多い中、いたるところに「祝 国宝」の文字が躍る青井阿蘇神社は一番喜ばれた建築物に間違いない。指定から10年経った今年も「祝 10周年」とお祝…

【徳川美術館】名刀紀行 短刀 無銘 正宗(名物 庖丁正宗)

この秋に京博が開催する京のかたな展。京で作られた刀たちを全国各地から集めまくった展示会で、博物館が企画する刀の展示としては質と数ともに最大級のものとなっている。そして、武家の棟梁が本気を出せばという展示が名古屋の徳川美術館で開催されている…

太刀 銘国宗 照國神社

国宝は日本国内にあって初めて指定される。どれだけすばらしいものでも海外に流出しているものは対象外である。そのため、海外から輸入されたもの(茶器や絵画など)が国宝に指定される例は多いが、海外に渡ったものが指定されるのは珍しい。 照國神社が所有す…

厳島神社

様々な国宝建築や世界遺産があるなかで、厳島神社はオリジナリティーにあふれている。 まず、建物が海に突き出ている部分。高潮などで幾度も被害にあっているが、その構造を変えることがないこだわり物件。海に突き出ているにも関わらず、その裏手はすぐに山…

向上寺 三重塔

しまなみ海道にはもう一つ国宝がある。向上寺の三重塔である。と言っても立地と派手さ、知名度では下界にある耕三寺と平山郁夫美術館にはかなり劣っている。耕三寺は有名寺院のおいしい所と派手なものを集めたごった煮的寺院で、今ならインスタ映え寺と言っ…

大山祇神社

徳川幕府が出した大型造船の禁止令までは、瀬戸内の海賊たちが西日本の海を支配してきた。特に源平盛衰を懸けた12世紀から戦国時代までは戦いの中で、どうしても海を利用することがあった。海運は陸上輸送に比べて圧倒的な速さと物量を運ぶことができるため…

【京博】池大雅

池大雅は国宝指定が3点もある南画の巨匠だ。昨年の国宝展に1点ぐらい出ると予想していたが、回顧展への出品に回って、待望の対面となった。 とはいえ、昨年の今頃までは全く国宝に興味がなかったこともあり、池大雅の名前を知らなかった。国宝の十便十宜図で…

【奈良博】春日大社のすべて

奈良国立博物館は奈良公園の一角にある。ところが、公園がどこからどこまでなのかはわかりにくい。なぜなら公園に整備される以前からある寺社仏閣が多数存在し、境目がない。もともと興福寺の領地だった場所が公園として整備されたためだろう。また、道路を…

【畠山記念館】蝶螺鈿蒔絵手箱

大正から昭和初期にかけて、茶道は経営者の嗜みだった。廃仏毀釈と大名の凋落で市場に出回った骨とう品を外国人や国内の経営者が買いあさり、コレクションとした。戦前ならば見ることは叶わなかった品々が戦後50年以上が過ぎ、資産管理を兼ねた美術館運営…

【五島美術館】源氏物語絵巻

美術館や博物館、寺院などでは大型連休中だけ客集めたため目玉となる名品を陳列したり特別公開することがある。五島美術館でも今春の優品展を開催している最中、この連休中のみ国宝の源氏物語絵巻を特別展示をしている。 詩と絵の部分を断裁して、板に張り付…

【東博】 名作誕生 つながる日本美術

3月、大阪・中之島に都市型美術館・香雪美術館が誕生した。関東では珍しくなくなった複合施設内の美術館だが、全国的にはまだまだ珍しい。この美術館は芦屋にある朝日新聞の創業の村山家が蒐集した美術品を展示している香雪美術館の兄弟的な存在で、ビル内に…

【九博】王羲之 日本の書

最後の最後で間に合った。王羲之を中心に書を集めた展示「王羲之と日本の書」を九州国立博物館へ観に行った。王は3つの書体を使い分け、フォントの多様性を生み出し新しい書の世界を切り開いた。中国の科挙の試験では王の書き方でなければ内容が正しくても…

【専修寺】御影堂・如来堂

昨年秋、国宝指定となった真宗高田派本山・専修寺の御影堂と如来堂を見に行った。昨年の台風により亀山線が不通となり関西からのアクセスが悪くなっていたが、それが解消したため晴れて見に行く。 一身田駅からすぐの場所にある専修寺はかなり巨大なお堂を有…

【金剛寺】大日如来坐像ほか

天野山金剛寺には数年前に訪れたことがある。その時は金堂の改装工事中で、完成した暁には再訪を誓って拝観しなかった。そして、2018年3月、晴れて金堂の大修理を終えてお披露目と相成ったので訪問した。綺麗になった金堂をお祝いするかのように開花が早かっ…

【醍醐寺】大日経開題 弘法大師筆 

真言宗の宗主者である空海。かなりファンタジー寄りの主演映画も現在公開されている。この前まで東博で開催されていた仁和寺も真言宗で、この宗派の寺宝の多さには驚かされる。 そんな中でも空海の自筆の書は派閥形成にはなくてはならないアイテムだろう。醍…

【醍醐寺】訶梨帝母像

霊宝館に入館するとき、この秋と冬に醍醐展がサントリー美術館と九州国立博物館で開かれるお知らせパンフレットをもらった。そこには訶梨帝母像の写真もあり、展示されることが伺えた。この春の展示に出展されている主要なものは、秋冬展示への出展が確定し…

【醍醐寺】狸毛筆奉献表

空海が嵯峨天皇へ献上した上表文。空海が筆の名人と呼ばれるのは様々な字体を書き分ける能力があったからだ。生真面目な最澄は大陸から伝わった書の書き方がほとんどで、空海のように四書体を書き分ける器用さはない。 三十帖冊子でもそうだったが、どうして…

【醍醐寺】薬師如来及び両脇侍像

薬師如来と脇侍は、もともと修行場となる山の上にある上醍醐に安置されていた。だが、上醍醐では十数年前の落雷による火災が起こり文化財としての保管議論が起きた。時々下山していた(もちろん人の手によって運ばれた)像は議論の末、保管環境にすぐれた霊…

【三宝院】唐門

写真の右奥に国宝の唐門がある。表側からなら入場料なしで写真が撮れるがせっかく入場料を払ったので裏面の写真を載せた。 表面も裏面もデザインは黒漆をベースに金で家紋を表現している。派手好きな秀吉が喜びそうなデザインとなっている。平成22年に修復…

【醍醐寺】宋版一切経

昨年に国宝指定を受けた宋版一切経は醍醐寺では新入りの国宝である。東大寺復興の立役者である重源が宋から持ち帰ったものを醍醐寺に納められたものが現代まで伝わっている。 展示は大切に保管していたことが分かるように保管していた箱が後ろの壁面に配置さ…

【醍醐寺】五重塔

天気用予報などで桜の開花のニュースが出始めた。日本史の中で桜と国宝の組み合わせで一番想像されるのは醍醐寺だろう。豊臣秀吉が1598年4月20日に醍醐寺で桜の花見を開催した。今から420年も前の話であるが、北野大茶会と並ぶ催し物で未だに知られ…

【東洋文庫】史記 夏本紀第二

三菱財閥の美術館では、これまで丸の内の三菱一号館美術館と二子玉川の静嘉堂文庫美術館に行ったことがあった。そして今回、初めて東洋文庫に行った。 他の二館と違って、目を引く特別企画展が行われることは少なく、なかなか興味を持てなかった。そうこう言…

【長保寺】多宝塔

本堂と同じ時期に造られたと思われるが、塔は純和風建築。和歌山の国宝指定の塔は高野山の金剛三昧院と根来寺の多宝塔があり、どうしてもそれらに比べると地味である。本堂や多宝塔それぞれ単独で観ると地味で仕方がないが、同一寺院で大門・本堂・塔の3つ…

【長保寺】本堂

長保寺は一条天皇の勅願により1000年に建立された。1241年に現在の地に移され、1311年には主要な建物を丘の中段に移設した。京都の寺社建物を見慣れてしまうとそれ程大きくもなく、外から見る限り凝った設えもないので地味に見える。ただ、鎌倉…

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。