2015年から16年にかけて20年に一度の式年造替が行われ、美しい朱色を身にまとった春日大社。東博での大社ゆかりの品の展示会に続き、奈良博でも春に行われる。
地の利を生かして、普段お目に掛かれない品々が展示されることを期待している。また、東博では難しかった展示会直後の参拝は、今回は興奮が冷める前にできそうだ。ただ、国宝の本殿は幣殿からはほぼ見えない。特別拝観を申し込む必要がある。展示会とのコラボ参拝などあればうれしい。
年始のイベントでここ最近生中継されるのが西宮神社の福男。十日恵比寿の催事として開催されていたが、大々的なテレビ中継のおけげで、スポーツ的な催しとなっている。朝の開門直後に福男となるべく多くの人々が参道を駆け抜ける風景は1年の始まりが終わりを告げ、本格的な日常へ引き戻される。それまでは成人式が1月15日に開催されていたので、それまで年初めの雰囲気があったが、ハッピーマンデーによる月曜日が成人の日となってからは、福男にその座が譲られた感じがする。
さて、西宮から電車で十数分行った所にある神戸市立博物館ではボストン美術館の至宝展が開催されている。東京でも大好評だった展示会だが、神戸でもそこそこ盛況で人気の展示品には列が出来ていた。
それらを観終わった後は常設展示へ、とはいなかいようでこちらはガラガラ。導線的には2階の常設展入り口はすんなり行けて、その上国宝の桜ケ丘遺跡出土品の土器群がお出迎えしているのだから観ないのはもったいない。神戸市立美術館の建物が洋館である。西洋画を中心として特別展には雰囲気が非常にマッチしているが、神戸市の歴史を扱った常設展とは合わないのが問題かもしれない。
この秋、園城寺内で十数年ぶりの黄不動公開が発表され、盛り上がっているなかで、奈良博では智証大師関連文書の一部が公開されている。
智証大師は大陸に渡り、様々な経験や文教関連の資材を持ち帰った。その記録を本人が書いている文章が国宝となっている。下書きであるため、丁寧な字で書かれてはいない。おそらくは清書したものは時の権力者へ提出したのだろう。