国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【春日大社】本社本殿4棟

2015年から16年にかけて20年に一度の式年造替が行われ、美しい朱色を身にまとった春日大社東博での大社ゆかりの品の展示会に続き、奈良博でも春に行われる。

地の利を生かして、普段お目に掛かれない品々が展示されることを期待している。また、東博では難しかった展示会直後の参拝は、今回は興奮が冷める前にできそうだ。ただ、国宝の本殿は幣殿からはほぼ見えない。特別拝観を申し込む必要がある。展示会とのコラボ参拝などあればうれしい。

古備前包平(名物 大包平)

通常の展示で超名品が出品されるのが、東京国立博物館の凄さだ。日本刀の最高傑作と名高い大包平が4月8日まで本館13室で観ることができる。おそらく刀剣女子たちが大挙して訪れることだろう。

平安時代の作品で、制作されて1000年以上経っており、その間に何度も磨き上げ作業をしているにも関わらず、その形状がうつくしく残っている。池田家伝来の刀で昭和42年に文部省が買い上げた値段は6500万円だったそうだ。

レア ★☆☆

観たい ★★☆

名品展 紅白梅図屏風 MOA美術館

昨年、リニューアルオープンしたMOA美術館の名品展が1月26日から3月13日まで開催される。

同美術館所有の国宝3点を含む、東洋美術コレクションが思う存分観ることができる。その中で、尾形光琳作の紅白梅図屏風は初春に見るにふさわしい作品だと思う。屏風の真ん中に川を描き、その両岸に紅白に咲く梅の木が植えられている。梅が咲く風景と川には大量の水が流れている雰囲気があることから、雪解け水が梅林に流れ込み春が近いことを見せている。

【レア】★☆☆

【観たい】★★☆

 

【神戸市立博物館】桜ケ丘遺跡出土品

年始のイベントでここ最近生中継されるのが西宮神社の福男。十日恵比寿の催事として開催されていたが、大々的なテレビ中継のおけげで、スポーツ的な催しとなっている。朝の開門直後に福男となるべく多くの人々が参道を駆け抜ける風景は1年の始まりが終わりを告げ、本格的な日常へ引き戻される。それまでは成人式が1月15日に開催されていたので、それまで年初めの雰囲気があったが、ハッピーマンデーによる月曜日が成人の日となってからは、福男にその座が譲られた感じがする。

さて、西宮から電車で十数分行った所にある神戸市立博物館ではボストン美術館の至宝展が開催されている。東京でも大好評だった展示会だが、神戸でもそこそこ盛況で人気の展示品には列が出来ていた。

それらを観終わった後は常設展示へ、とはいなかいようでこちらはガラガラ。導線的には2階の常設展入り口はすんなり行けて、その上国宝の桜ケ丘遺跡出土品の土器群がお出迎えしているのだから観ないのはもったいない。神戸市立美術館の建物が洋館である。西洋画を中心として特別展には雰囲気が非常にマッチしているが、神戸市の歴史を扱った常設展とは合わないのが問題かもしれない。

 

 

【四天王寺】扇面法華経冊子 観普賢経 扇11

扇面法華経冊子は国宝展でも2種類展示があった。四天王寺は5帖所有しており、今回は国宝展に展示されなかったものをピックアップして展示していた。

観普賢経 扇11は桜花訪美人図があしらわれている。無味乾燥な経を華やかな桜に美人絵をコラボレーションさせることで、天まで届く芸術品に仕上げている。

オリジナルは1月15日までしか見ることができない。

【四天王寺】四天王寺縁起(根本本・後醍醐天皇宸翰本)

日本最初の官立仏寺である四天王寺。その宝物館が新春に公開されている。その中で、四天王寺の由来を書いている縁起は、大阪大空襲を免れて、現在までよく残った品だ。

宝物館は昭和のコンクリート造りで、保管庫に陳列棚を設けた感じ。聖徳太子関連の資料が多いと思っていたが、全体的に陳列数が限られているため、太子関連は十数点だった。もう少し太子を前面に押し立てた陳列でもよいと感じた。

四天王寺縁起は後醍醐天皇宸翰ということで朱の手形が押してあり、なかなかの威厳を醸し出していた。

【奈良博】智証大師関係文書典籍

この秋、園城寺内で十数年ぶりの黄不動公開が発表され、盛り上がっているなかで、奈良博では智証大師関連文書の一部が公開されている。

智証大師は大陸に渡り、様々な経験や文教関連の資材を持ち帰った。その記録を本人が書いている文章が国宝となっている。下書きであるため、丁寧な字で書かれてはいない。おそらくは清書したものは時の権力者へ提出したのだろう。

 

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。